コミック雑誌なんかいらない デラックス版 [DVD]
芸能人の私生活をのぞき見たい視聴者。暴きたい芸能レポーター。
80年代中盤ごろが一番行き過ぎてました。
このスキャンダリズムに疑問を持ちながらも、これもジャーナリス
トとしての仕事だ、とある意味自分を騙して猛進していく内田裕也。
不器用で疲れている中年男の情けなさと色気を見事に体現しています。
三浦和義、殿山泰司、安岡力也が短い出演ながら、好演。
ロック誕生 THE MOVEMENT 70’S~ディレクターズ・カット [DVD]
個人的に、フラワー・トラヴェリン・バンドの「Make Up」の映像に期待していたんですが、
収録されていたのはYouTubeにて公開の某映像にスタジオ音源を被せただけのものでした。
また、その他の多くの演奏シーンの映像も既出のものばかりで、まったく肩すかしです。
70年代当時の日本のロックの映像が1つのアーカイヴとして集約されたことは意義深いとは思うし、
そうした資料的なものとしてはそれなりに良い作品かもしれません。
が、1つの映画作品として観た場合はちっとも面白くもないでしょう。
なにしろ、内田裕也さんや近田春夫さんといった人達へのインタビューの合間に、
昔の映像が時系列もばらばらにダラダラ挟まっているだけの薄っぺらな構成でして、
映画のはじまりと終わりを内田裕也さんへのインタビューで纏めて、
どうにか全体を締めているだけの映画ですから。
インタビューをもうちょっと幅広く、細かくやって、
当時のレコード会社のディレクターだとか、ロックから別の方向へと流れていった人達とか、
そういう人達の証言も取り込んでくれていたら、奥行きのある見応えのある映画になったのでは。
例えばその後のYMOのメンバーがいたエイプリル・フールの人達だとか、
モップスから名プロデューサーへ転身を遂げた星勝さんとか、
ヒーリング・ミュージックみたいなものをやるようになった喜多郎さんとか、
話を訊くべき人は、いっぱいいたでしょう?
これでは「ロック誕生」というよりは、「内田裕也誕生」ですよ。
内田裕也さん、大好きだからこれでもいいんだけど(笑)。
頭脳警察 1(ファースト)
皆さんの意見はなるほどなあと思います。正直、私も初めて聞いた時は拍子抜けしました。 文化(といっていいのか?)は時代とともに変化すると思います。 一つ感じたことは、若者の放つエネルギーの凄さです。 それは、その年代を経験した人間にしかわからないものだと思います。 詩の内容も当時は先進的なものだったのでしょう。 しかし、今聞けば逆にとても滑稽にきこえるように思います。それは、自分がその後の時代を経験しているからだと思います。
正直、今の若い世代の人たちにはそのようなエネルギーが感じられないような気がします。
とにかく自分を信じて前に突き進むことが出来れば、震災を乗り越えて時代を切り開くことができるのではないかと思います。 ですから、このアルバムは当時を知り、ノスタルジックにひたる世代の人たちより、その時代を知らない世代の人たちに聞いてもらって、いろいろと考えて欲い、1枚です。
TOKYO STREET ROCKERS 1978→1981
1978年から81年にかけての、日本のアンダーグラウンドなロックシーンを伝える傑作写真集。
当時、宝島などの雑誌で目にしたものから、初めて見るものまで、表紙のツネマツマサトシをはじめ、ホット&クールなモノクロショットの数々が納められている。(少し前に吉祥寺のライブハウスで観たツネマツ氏は、この写真の1・5倍の体格になってしまっていて残念だったがw)
地引氏は偉そうに能書きを並べるだけの凡百の音楽評論家と違い、写真を撮りながらテレグラフ、ヴェクセルバルクといった自主レーベル(今のメジャー資本でのインチキインディーズとは違う、本当のインディーズレーベル)の設立、運営に携わって、実際にシーンを盛り上げていた人なので信頼できる。
巻末にある各写真の説明は、そのまま当時のシーンの貴重な解説となっている。地引氏のあとがき、ECDによる帯の文章もいい。
残念なのは、巻末の写真の説明は通し番号で書かれているのだが、各ページの写真にはほとんど番号がふられていなくて、ノンブル(ページ数)もないこと。そのため説明文と写真を照らし合わせるのが大変。
証言! 日本のロック70’s ニューロック/ハードロック/プログレッシヴロック編 (単行本)
ゲストやホストと同世代です。70年代やその前史とも言える60年代後半から続くロックについては、ラジオやレコードを通してリアルタイムで音楽を追いかけていました。
本書は日本のロックを創ってきた側の証言ですから、リスナーとは違う視点からの情報も多く、知っているはずのロックの流れもまた新鮮に読み通しました。紹介されているレコードなどの音源も聴こえてはこないのですが、どこを説明しているか分かるのは嬉しかったです。
日本のロックを語っているわけですが、大きな影響を受けた海の向こうのロックについても相当なページを割いて語っていました。あの時代の音楽環境や雰囲気を語るには避けて通れませんので。
井上貴子さんが「50年代生まれは『ロック世代』」と位置づけてくれました。ビートルズからGSへ、ニューロックからハードロックへ、そしてプログレへと我々は通過儀礼のように世界中を席巻した音楽を追い求め、自分へと吸収していったものです。
それらの音楽を、本書は実に多彩に、あらゆるロックから解き明かしています。語り手が日本を代表するミュージャンですから当然でしょうが、ロックの聴き手としても素敵なリスナーだったことを知るエピソードが満載でした。
本当に貴重な証言が詰まっていました。同時代の仲間だけでなく、次世代のロックを愛好する人達に是非読んでほしい本となっています。あの時代の空気まで感じ取れるリアルなコメントが詰まっていますので、本ではありますが、ロックを体感できそうな気がする書でした。
巻末には「日本ロック史年表1952〜1984」も所収してあります。