Nemesis Divina
サテリコンの名盤として有名な今作はピアノのメロディーやシンフォニックな要素を取り入れたメロディック・ブラックに仕上がっています。
サティアーのヴォーカルもこれまで以上に狂暴ながなり声で歌い上げており、ギターもイカしたリフを刻んでいる上に、フロストのドラムも時に超高速ブラストを叩きだす等、聴き所満載のアルバムです。
個人的には全曲捨て曲なしですが、昨今、数多くのブラック・メタルバンドが存在する現在において、この作品を名盤として聴ける人と聴けない人の両方がいるのも事実ではないでしょうか。
この作品がリリースされた当時はこの手の曲はとても斬新で今までに聴いた事のないサウンドだったので話題になったのでしょうが、数多くのブラック・メタルバンドが存在する現在となっては、この手のサウンドは珍しくない状況になっているので、聴く人によってはこれの何処が名盤なの?と思う人もいるでしょうね。
それでも素晴らし内容には変わりはないで興味のある方は是非、購入してみて下さい。メンバーの写真が掲載されていますが、フロストのメイクがマジでウケます。まるで梅干ばばあみたい。(笑)
サテリコン [DVD]
サテリコン[SATYRICON]は1969年の作品ですから、1920年01月20日生まれのフェデリコ・フェリーニが49歳の作品であり大作なんですね。原案・脚本も勿論のこと、フェデリコ・フェリーニ(+ベルナルディーノ・ザッポーニ)が担当していて、油の乗った49歳の巨匠の頭の中はきっと豪華絢爛なカオスそのものだったんでしょうね。カニバリズム有り、同性愛有り、色情狂有り、ソドミー有り(※注…男色や獣姦など、自然に反した性愛。旧約聖書に記された、悪徳の都市ソドムにちなむ称。)、酒池肉林有り、何でもござれの退廃的imageがエンコルピオが出会う数々の数奇な運命として約130分間にFilmに凝縮されており、見応えは充分有りなのですが、取り上げているのが『人間の退廃』そのものなので、単なる巨匠の大作としてご覧になられた方の中には、美味しい料理を食べに行ったら巨大な魚の顔とニラメッコするハメになった感覚で拒否反応をされる方もいらっしゃると思います。しかし、大技ながらも繊細な血管も映画の中には流れておりまして、なかなかドウシテ私などはサイケな気分でこの1本をお薦めしたい気分になったり致します。『財産相続を願うものは、我が屍肉を食え』の遺言はまるで、人間の悲しさや滑稽さを笑い飛ばす絶妙なpasswordのように見え、フェデリコ・フェリーニが云った「映画づくりというのは不気味でグロテスクな仕事だ」という意味が沢山この映画には含まれているんじゃなかろか?とも思った次第です。29インチ以上の大きな画面、2台のスピーカー以上+大音量でご覧になる事も併せてお薦めする次第です。
サテリコン [DVD]
宗教の登場によって倫理観が確立するより以前の古代ローマ社会。
行動規範の洗練が成されていない原初の混沌。
文化的とされる生活を日々、当たり前に消化する僕らからすると
不自然性に見えるはずのカオスがかえって自然かとも思えてきてしまい
常識・非常識のものさしなど、つくづく文化により常日頃
形成、変質し続けてゆくものなのだなあと再認識させられます。
「個として」では無く「マスとして」の生物・人間も
歴史とともに進化(複雑化)している。
何にせよ、そうした異質なものを、ここまで圧倒的な緻密さで
壮麗に描いてみせたそのモチベーションを、まず賛美したい。
レベル・エクストラヴァガンザ
ノルウェー産真性ブラックメタルバンド、サテリコンの4th。日本デビュー盤。
「本物」でしかもクオリティの高いブラックメタルバンドとしては、エンペラー、メイヘムらと並ぶ。
前作「NEMESIS DIVINA」のドラマティックさはメロブラ好きの心を打った傑作であった。
で、このアルバムだが、暴虐さは変わらず、メロディアスさは減少、音質は大幅向上、といった具合だ。
もはやチープさのかけらもない骨太のサウンド、ブラストビート、エフェクトのかかったVoの絶叫、と
すべてがAクラスの出来。これで美しい哀愁メロディがあれば・・・と私などは思う。
サテリコン [DVD]
大好きでなかなかDVDにならなかった筆頭作品がやっとなってくれた。ああ良かった。『サテリコン』という現存しない書物を映画化とはなんてアウ゛ァンギャルドな!この映画はビジュアルが全てモノを言う作品で、当時の風俗、文化もかなり誇張されていようが、観ていて興味深く非常に勉強になる。観るものをその世界に誘い、インスピレーションを湧かせる映画でもある。ただ、きれいだな、と思わせるだけじゃない“力”を凄く感じます。特に興味を持ったのは宴会のシーンと劇中劇のシーン。そして最も私を魅了したのは主人公同士が奪い合う美少年ではなく、音楽です。環境音楽みたいでもあり、シュールでなんとも言えない音楽、今まで聞いた事が無いような、不思議な旋律。『サテリコン』を象徴するような。初めて観た時その気持ち良さにうっとり。実際発掘された楽譜の断片をつかって復現したらしい。さすが。ただ、なかなかサントラが見つからなくって、(LPは中古で見つけたが、とっても高いのです。)巨匠ニーノ・ロータの作品集にコレがない(というか廃盤?)のがあまりにも悲しい!あっても表題曲しか無かったりするのだ。これを逆に演奏すると『カサノウ゛ァ』の表題曲になっちゃうらしい。こんなところでお茶目なサボり方するニーノ・ロータが大好きだ!
勿論星は5つ!この値段なら損はなし。廃盤になりませんように!