オチビサン 1巻
友人の家で取ってる朝日新聞ではじめて読みました。
あれっ「あたしンち」終わった?…ってくらい軽い気持ちで。
友人曰く、オチビサンって’虫’だよね?
違いますって。男の子です。父は左官屋という噂。
一話完結方式ですが起承転結がゆるく、子どもには説明が必要な回も多々(笑)。
しかし、新聞漫画というカテゴリーとしてしまうには、もったいないクオリティーです。
作者が著名な漫画家であることは知っていましたが、
日本人離れした彩色、叙情的な画面構成、手書き文字にうっとり。
訳者はリチャード・バーガー氏。
巻頭に'chibi'という表現についてのお断りが添えられています。
単行本の体裁は明らかに「サザエさん」を意識した物と思われます。
正チャン帽のポンポンの中身は…読んでからのお楽しみ。
働きマン(4) (モーニングKC)
週間モーニングで定期的に連載されている漫画です。
この巻もとても面白かったです!自分は男のサラリーマン(新卒)ですが松方を見てると、
仕事に対する気の持ちようを教えられる気がします。こんな風に考えるのも有りだな…
と。もちろんフィクションの漫画なんですが、登場する人物や仕事の内容はリアルなもの
ばかりです。だからそこが面白い。
誰でも読める漫画ですが、個人的には就活してる学生さんに読んで貰いたいですね。
またドラマ化も決定しているので、さらに知名度が上がるんじゃないでしょうか。より多くの
人にこの漫画を読んで貰いたいです。
さくらん [DVD]
安野モヨコの原作が素晴らしいだけに、それを描ききれていないことがとても残念な作品。
原作者はおそらくそれなりに江戸風俗を研究してリアリティを感じさせる作品を作り、
その中で見事に様々な女の心の機微を描いているのだが、
蜷川実花はそのどちらも描ききることができなかったと言わざるを得ない。
監督にも脚本家にも、勉強不足が見え隠れしてしまい、見ていて歯痒くなった。
特に、原作がまだ単行本化されていない後半部分、クライマックスになるべき部分なのだが、
非常に尻つぼみになってしまったように思える。
物語の舞台だけを吉原に借りて、蜷川実花の世界を全開にするのであれば、
それはそれで終始見応えのある作品になったと思うのだが、
彼女の独特な色使いも後半はなりを潜め、カメラワークも単調になってしまう。
だがひとつの美術作品として見るならば、有り得ない衣装、有り得ない装飾、
映画音楽にしてはどぎつい椎名林檎の音楽も、部分的に取り出せば非常に楽しめるものではある。
それを上手く繋げて、リアリティのある一つの心地良い流れを作るまでには至らなかったことが、非常に残念に思う。
作品に関わった人たち一人一人が、いわゆる「カリスマ」と称される、
言ってみればアクの強いアーティストたちなので、それに上手くリアリティを足し、
心地良い流れを作るというのは、至難の業かもしれない。
せめて原作が完結するまで待ち、監督も脚本家も、もう少し江戸風俗について勉強してから作って欲しかった、
とても惜しい作品だ。
働きマン(3) (モーニングKC (1550))
ばりばりの女性編集者が主人公の、<働く漫画>。
なんて言うと、ひたすら有能なキャリアウーマンが、男を蹴散らして生きる爽快なドラマになりそうなものだが、筆者はそうしなかった。
この巻では特に、私生活と仕事の間で葛藤し、苦しむ彼女の姿が印象的です。
それから、この漫画では、<働くことの意味>の答えを一つに限定していません。
毎回、違うキャラクターにスポットをあて、その人なりの働き方、を見せる。
100人社員がいれば、100通りの働き方がある。
それを見せてくれるのもこの漫画の魅力です。
オチビサン 3巻
新聞の日曜版で連載している作品をまとめた、年に一冊の『オチビサン』3巻です。
紅白ボーダーのオチビサン、知りたがりの黒犬ナゼニ、食いしん坊の茶犬パンくい、
いたずら猫のジャックに和服が素敵なじいさまのおじい。彼らが暮らす豆粒町に
また一年が来て過ぎ去っていきます。
今巻も、お話の中心として、あるいは漫画の背景として、日本の四季と風景が
色濃く薫ってくる素敵な本になっています。個人的には、宵闇の夏祭り、
曇天の下の海、枯れた味わいの冬の池、そして最後の妖艶な夜桜の光景に
やられました。どこかで見かけて、肌で感じたいつかの思い出が、ページを繰るたびに
蘇ってくる気分でした。
扱う題材に合わせて色彩の使い方やタッチが、ちゃんと少しずつ変えられて
いるように感じました。一つのスタイルに頼らずこだわらない描き手の技術に、
風景と世界もさまざまな表情を見せることでこたえています。安野さんという
漫画家さんと日本の光景という題材は、実に幸せな出会いと言うべきでしょう。
読み終わったら今度は自分が外に出かけて、自分の目で「日本」を味わいたくなる、
そんな漫画です。