名曲喫茶のクラシック~懐かしのクラシック小品集
このアルバムの企画としては、昔「名曲喫茶」で流されていた小品のクラシック音楽を家庭でどうぞ、という趣旨のようである。企画はどうあれ、よくあるオムニバスアルバムで、曲テーマもバラバラ、演奏家も玉石混淆である。曲によれば何もこのアルバムでなくとも、別の優れた演奏家から聴けば良さそうなものであるが、ここでの良いところは、何と言っても他のアルバムでは見つけにくい珍しい曲目を収録していることであろう。また、聴き覚えある曲ながら題名のわからない曲の題名を特定できたことも大きな収穫であった。
とりわけ私としては、「ハイケンスのセレナード」や「怒濤を超えて」「ドナウ河のさざ波」が興味深い。
特にハイケンスのセレナードは戦時中、「戦線へ送る夕べ」というラジオ番組のテーマ曲だった(らしい)のだが、印象的な名曲ながら原曲を聴く機会がなく、このアルバムを通じて初めて聴くことができた。また「怒濤を超えて」は‘NHKみんなのうた’の初期に合唱曲として採り上げられた曲で、私の幼少時によく聴いていたもの。
あと、このアルバムでは1曲ごとの曲解説がわかりやすく載せてあるのもうれしい限り。
時には、こうしたアルバムでクラシック小品を振り返るのも良いかもしれない。
10年物語~All Singles of the decade and more~
新録音の「素敵な物語(おはなし)」、「月鏡」、「佐世保」が美しい。
特に「素敵な物語」ではボーカルの声がかわいい。また、ベースも素晴らしいと思ったら、2003年から中森明菜のツアーサポートもやっている山崎洋氏だった。悲しい運命に翻弄されて離れ離れで生きて行かなくてはならなくなった人生を同じ月を見ているのだから・・・と思って半分諦めながらも強く自由を望む気持ちを自然美とともに歌っていて「月鏡」も素晴らしい。
このベースも山崎洋氏である。
161ミニチュア集 (チェス・クラシックス 3)
定跡はある程度覚えた。
でもここから先はどんな戦いになるのか?
この本はその道筋の一つを必ず教えてくれる本です。
チェスマスターブックスのやさしい実戦集もあるが
これは確かにやさしくは説明されているけれども
あまり掘り下げて考えるには内容が薄いと思っていた。
本書は入門者には確かに難しいとは思います。
しかしながらこの本ではもう少し具体的に
定跡にはなっているが実戦では実は不利であるとか
これを知りたかった!!これだ!!という変化も
見つけることもありました。
それぞれ読まれる方なりの発見がたくさん見つかると思うし
非常に内容の充実するものになると思います。
私は初心者なので自分である程度掘り下げて
読む作業も必要ではありましたが
綺麗なチェックメイトになる部分も載っていて
こんなふうな持って行き方があるのかと
実戦でのアイデアが浮かんでくることが
とても楽しみになりました。
これだけの内容の充実したものであるならば
入門者は難しいとしても初心者でも持っていて良い本であると私は思います。
中級、上級の方にも、研究材料としても、もちろん素敵な内容になることでしょう。
おそらく日本には存在できなかった本が古典書ではありながら
ここに実現したのだと感動しています。
改めてこのような良書を安価で提供していただいた
水野優氏に感謝の意を表したいと思います。
方法序説ほか (中公クラシックス)
哲学に興味がなくても、デカルトの名前は聞いたことがある人は結構いる。
方法序説についても読んだことがなくても「われ思う、ゆえにわれあり」と
いう言葉は有名だ。
考える我、存在、神の存在証明についての展開は文学的といってもよいほど
面白い。
でも、私がこの本からもっとも考えさせられたのは、何を根拠とするか?
何をはじめとするか?という部分だ。
何かを正しいとするとき、その根拠をさかのぼった先には何があるのか?
デカルト自身は神としているわけだけど、宗教を持たない人間にとって
神というキーワードはどうもしっくりこない。
そうかといって何もないと言い切ってしまうのは哲学的にはあるのだろうが
現実生活としてはあまりにも心もとない。
宗教(超越的な力)を信じたいが信じられない人間の存在、言葉、行動・・・
など全て根拠とはなんなのだろう。
チェックメイトの技法 (チェス・クラシックス1)
正直入門者には難しいかもしれないが、初めに買っても良いと思う。
それはチェスの考えはチェックメイトを目的としているからである。
いずれ初級から中級にかけてこの本は必要になるし十分に役に立つ。
何より良いのは日本国内で実戦譜が少ない中できちんと
チェックメイトにターゲットを
絞って書かれた翻訳書であることが、とにかくすばらしい。
通常ここから何手でチェックメイトできますか???の質問などはあるが
この本は応用を実際の対戦から棋譜を最初から載せて説明されていることにより
なぜこのようなチェックメイトが成立するのかどんなときに現れるのか
試合の棋譜をきちんと載せてあり、その過程が良く解る。
ここがいちばんこの類とちがう一番大きなところだと思うし大事なことだと解る。
たとえば「ボビーフィッシャーのチェス入門」も名著だし「どうしたらきみのパパにチェスで勝てるのか」
もそうであるが棋譜を抜粋したに過ぎない。入門者や初心者にはこの辺りの本が理解し易いが
チェックメイトするまでの過程があまり見えない。
この本はその問題をすべて解決してくれる。
私はこの本を読んでから序盤からどうチェックメイトしようか考えられるようになった。
今までは基本どおり指していてたまたまチェックメイトの形に持っていくような部分があったが
現在は以前より狙いを絞って実際チェックメイトを簡単に決めてしまうことが多くなった。
これはこの本一冊で成し遂げられたので私はすばらしい良書だと思っている。
また翻訳者の水野優氏の訳は難しい表現がなく誤字脱字も全くないと言って良いほどで読みやすい。
棋譜の内容やチェックメイトの基本となる例題や確認問題と内容は非常に充実している。
必ず持っていて良い本である。私は☆を20つけて評価したい。
改めてこのような良書を安価で提供していただいた水野優氏に感謝の意を表明したい。