ホームレス中学生
「中学生がホームレス?この福祉先進国日本で?ありえない。」と思いつつ、「いったいなにがあって?」と、強烈な好奇心と不可解さで、『読んでみたい、読みたい』と思いつつ、すっかり今になってしまいました。
希少体験なストーリーと売れっ子小説家のような回りくどい文体も一切無く、非常にぐいぐい読みに引きこまれるすごい本。
スタートに父親が登場してくるものの、中盤まで母親が優しい回顧録でしか出てこないので、「もしや亡くなっているのか、離婚しているのか」ともやもやミステリー心理になってしまい、ずいぶん気持ちをひっっぱられてしまいました。読み進ませる構成が上手いですね。
おかぁさんが謝りながら死んでいくシーンは、涙を我慢するのが大変でした。
(待合室で読んでたもので。もちろん「うんこの神様」「10キロ女」などのシーンでは笑いをこらえるのも大変でした。)
公園生活中の 飢えと貧窮 によく精神的にも道義的にも破綻しなかったものだと、亡くなられたお母さんの存在に手をあわせるような気持ちになりました。
どん底から救ってくれた「川井よしや君」!わたしは、この名前を一生記憶しておきたい。
どん底の中のごはん、お風呂、・・・
この子にありがとうを100万回言いたい。よしやの母上にもありがとうを100万回言いたい。
それから、高校の工藤恩師
「早く死んで、おかぁさんのところに行きたい」という自暴自棄を救ってくれた、深い理解と慈愛と諭し。
こういう先生に私も出会いたかったなぁ・・・。
これから15歳になっていく現在9歳の娘に贈りたい1冊になりました。
生き抜く強さ。たくましさ。
生きていく上でとてつもなく大切な友達、先生、お金、住まい(屋根とお湯)、食べ物、当たり前だと思い込んでいる親からの擁護、感謝、生きる意味、存在する価値・・・・
娘に贈りたいものが一杯つまったすごい本です。
The Miseducation of Lauryn Hill
と言うよりもむしろ、下らない音楽が多数を占める2012年現在、より楽曲、声の素晴らしさに気付かされました。思えば、23才の頃聴きまくってたアルバムでしたが、当時より今の方が何故か胸に染み入るように一曲一曲が入ってきます。
オルタナロックからレゲエまで幅広く聴く雑食ですが、間違い無く私が持ってる500枚以上のCDの中でもTOP3に入る名盤と言えます。(個人的に)