FIFAオフィシャルDVD 2006FIFAワールドカップ ~THE DOCUMENT~
毎回制作されているワールドカップ・オフィシャルフィルムのDVD化。
日本版タイトルのようないわゆるドキュメント作品ではなく、
少なめのナレーションと試合映像で、
簡潔に大会を振り返る記録映画のようなものだ。
もちろん全試合収録ではなく、全64試合中「17試合」をピックアップ。
イギリス・ドイツ製作なのでこれらの国の収録時間がやや長めになっている。
試合映像はピッチ上のカメラ中心で、個人的には逆効果と感じる。
特典映像にアンリ、中田英寿、カンナバーロらへのインタビューを4分から10分ほど収録。
大会や代表について語っているが、あくまでおまけの映像と考えるべきか。
この商品の唯一の良い点は、金子達仁・倉敷保雄によるコメンタリー。
参加国や選手、試合についてのコメントはもちろんだが
イングランド戦はトイレが混む(サポーターがビールをよく飲むから)といった
試合会場の雰囲気、ドイツの町の様子など
大会中現地で過ごした彼らのエピソードはどれも興味深く、楽しいコメンタリーだ。
とは言え
本編113分特典映像を含めると「164分」とボリュームは悪くないものの、
商品価格に見合う内容であるかは疑問。
この作品を見ただけでは大会をよくわかるとは思えない。
他の商品で補足する必要があるため、結局は無理して見る商品ではないだろう。
モーツァルト:交響曲第34,35,36,38,39,40,41番、ピアノ協奏曲第21番 朝比奈隆指揮倉敷音楽祭祝祭管
日本の誇る巨匠、朝比奈隆氏のモーツァルト交響曲集です。演奏の傾向としては、ワルター、カザルス、ベームなどの旧き良き時代の巨匠たちのスタイルに近いものですので、近年の古楽器系の演奏などが好みの方々には期待外れになるでしょう。聴いていると、ワルターほど甘美ではなく、カザルスほど厳格ではなく、ベームほど抑制されてもいない、それでいてこれらの特徴を少しずつ併せ持っているような、良い意味で日本人的な中庸な演奏です。聴き終わった後、感動・興奮・熱狂といった感じではなく、むしろじんわりと「ああ、いい演奏だったなあ、良いひと時を過ごせたなあ」と優しく癒されるような感覚の残る演奏です。オーケストラは日本のオケですが、日本人の演奏者たちもここまでのレベルに来たか、と思わせる上手さで、技術的な不満は感じません。録音は90年代のデジタル録音にしてはやや不鮮明なイメージがありますが、特筆すべきは、管楽器の響きの強さと美しさで、そうかここでこの楽器がこんな動きをしていたのか、という発見が随所にありました。ちなみに、40番ではクラリネット抜きの第一稿の楽譜が使用されており、この演奏に関してはこのほうが好ましい選択であったと思われます。
ふたりサッカー (ジェッツコミックス)
こちらの本は、ヤングアニマルで2008年3月から2009年11月までのサッカーコラムに現在の状況を加筆して単行本化したものです。
内容としては、スカパーのサッカー実況などでお馴染みのクラッキーこと倉敷保雄さんの文章と、『日常』などで知られるあらゐけいいち先生の漫画で構成されています。
サッカー好きのクラッキー好きには、たまらない本です。
童話、映画、テレビドラマに70年代のCM。音楽、スターのゴシップネタに、自家栽培などの何気ない話からサッカーの話に展開されて、最後には「フットボール愛」、「フットボールの楽しみ方」に昇華されていくクラッキー節は本書でも健在です。
サッカー実況で倉敷さんが好きな人、あらゐ先生のシュールな萌えキャラが好きな人。楽しいサッカーうんちくが好きな人はぜひ読んでみてください。