ぼんぼん (岩波少年文庫)
大阪弁で書かれた文体はとてもやさしく心地よいものでしたが、ストーリーが素晴らしく引き込まれました。脇役が秀逸。特に何かと主人公を支える佐脇さんがいい。
戦争中の話で、戦争について考えさせられますが、少年期の物語として傑作です。続いて「兄貴」読む予定です。
すてきな三にんぐみ (ミニエディション)
ニコリともしない三人組は、最後までニヒルなまま。でもお話は二転三転し、意外な結末へ。ティム・バートン(『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』)とか好きな人にオススメ。とにかくページをめくるのが、楽しい、楽しい。大胆な構図、鮮明な色彩。作者は、自分の小さな娘(フィービー)にこの絵本を捧げています。最後のページに、ふたりの写真が載ってます。
この本は、ミニサイズ。小さいからこそ、愛着が生まれます。手の平サイズの素敵な世界です。
ぼちぼちいこか
なんだか忙しくてイライラしている事ってありますよね?私もその1人。仕事が上手くいかなかったり、子供の成長でも他の子が優れているような気がしたり。そんな時に出会ったのがこの本!何をしてもダメな主人公。でも自分のペースで....って思わせてくれる。ホッとしてしまうキュートな本。
老夫婦
ガブリエル・バンサンを知ったのは『アンジール』が最初で、この本は
一生の宝物となっている。個人ブリーダーをしているため回りは犬好き
が多いが、プレゼントしてこんなにも喜ばれる絵本は他にない。今回
『老夫婦』を発注し本を開くと、冒頭に彼女の手紙が紹介されていた。
『私は絵を描いています。ずっと、ブレルを聴きながら描いています。
「老夫婦」というシャンソンを絵にする・・・というこの一連のデッサンの
仕事は、とても順調に進めています。ブレルの歌を聴かずには、一筆
たりとも描いたり塗ったりすることなどありません・・・ 』
音楽は大好きだが、これまではJAZZとかBLUESとかROCK'N ROLL
が中心でシャンソンは深く聴いたことがない。ジャック・ブレルの唄も
耳にしたことはあるが、声が良いわけでもなく怒鳴るような唄い方だし
(加えてハンサムでもなく)、全体的になにかガサツな印象が強かった。
しかしながら、彼女の気持ちを感じるに従って僕もブレルの唄を聴いて
みたいと思い、彼のベスト盤「Brel Infinimennt」を直ぐに取り寄せた。
バンサンの絵本の効果があるのか、それとも定年間近で年齢的な感傷
が加わったためか、若かった時分とは異なりしみじみと音が入ってくる。
ページを進めるにつれ、最初は重たかった「老い」のイメージが何だか
安らかなものに変化していくように感じられた。ブレルの「唄心」が理解
できる歳になったのかもしれぬが、今回は歌詞カードをしっかり眺め
ながら聴いたことも大きかったようだ。Bob Dylanと同様に、彼の唄も
歌詞の内容を噛みしめながら聴くと良いのかもしれない。
人生の岐路に差し掛かった方々へ、立ち止ったときに見て聴いてほしい
絵本とCDをお薦めしたい。(本とCDの双方に同じレビューを載せました)
小天使ブリュッセルをゆく…
クリスマス・イヴに、地上でなすべき仕事を子供だから与えられなかった
小天使が、思いついてかってにブリュッセルへ舞い降りちゃった!
ブリュッセル中の子供をあつめて、クリスマス・キャロルを歌わせるため
にいろいろ試みる....
太めの主な輪郭線で、さっと描かれただけの省略描写が特徴的でした。
小天使の目の描き方がとってもかわいいのです。
小天使の冒険譚というところでしょうか。ブリュッセルの町中の彫刻像の中
の子供を集めるっていう思いつきが奇想天外で楽しい絵本です。
日本語訳を入れ、4カ国語が併記されています。