車のいろは空のいろ (ポプラ社文庫―日本の名作文庫)
今の小学校の教科書には載っているのでしょうか。
最近になって読みかえしたとき、聞き覚えのある文章の冒頭部分のフレーズとともに何だかとても爽やかな気分になりました。
この本は、タイトルも一度聞いたらなかなか忘れられない本ですが、中身の方も同様です。普段見落としがちな小さなものに感動する事、相手を気づかう事、日本の歴史の影、自然破壊の事などを嫌味を全く感じさせずにとりあげています。対象年齢は小学生ですが、大人になってもう一度読む価値があると思います。
悲しみの時計少女
これを読んだのが谷山浩子の最初です。
谷山浩子〜は、もともと歌手だったーとのことなのですが、なかなか良い児童書を書かれています。
というか、これを読んだら凄いはまっちゃいました。
しかし、結構絶版本が多い多い・・・・。もちろん、絶版だったのでamazonで色々と中古で購入しました!(ありがとう!)
本の話に戻ると、主人公はとある一人の女の子。
少女なんですが、その周りには不可思議な生き物(静物ともいえる)がでてきます。
ん、キミはあれか?もしや、美女と野獣で魔法にかけられていなかっただろうか。
頭が時計でできてる少女、手足以外はお魚の形をしているお魚くん。
そんな時計頭の少女は、時計の館を探しているという。
こっちよ、こっちの方角なの。鎌倉のほうよ。ニオイがするわ。
みたいなことをいってくるわけで。
舞台が日本なのに、不可思議な外国のような異世界の雰囲気を漂わせている。
が、しかし、子供向けのファンタジーだね、というような甘ちょいものではなく、
ちょっと不気味で、ホラーなテイストもある。そんな独特の雰囲気が凄い良い。
話が進むにつれて、何故だかいきなしな展開も受け入れちゃうようになってきます。
北極ライフ
シロクマの仔ナヌーを主人公に、北極でのナヌーの成長と暮らしが描かれています。太古の昔から連綿と繰り返されてきた、動物の母と子の、やさしさと厳しさの織り混ぜられた大自然の物語が、臨場感あふれる写真と温かな筆致の文章でつむぎ出されていて、眺めるだけでやさしい気持ちになれる本です。ところが、それだけではありません。人間の手の及ばない動物たちの楽園に、今、地球温暖化により、北極の氷が無くなってゆくという危機が迫っています。果たしてナヌーをはじめとする生き物たちは生き残れるのか、、、。後半では未来への不安のなか、あたかもパンドラの箱に残っていたかのように、まだ「希望」があることが提示されます。
この本は写真も文章も、とてもよく出来ています。「希望」の章は、未来への「希望」が表現されていて、勇気づけられました。今ならまだ間に合うのではないか、と。この「希望」の章の表紙写真は、大好きです。どなたにも、お勧めの本です。
谷山浩子ベスト 白と黒
「河のほとりに」「猫/森」をリアルタイムで聞いていた、といってもコアなフアンではなかった自分ですが、今聞いても、ちっとも古さを感じさせません。まあノイズが多い初期の曲もありますが、ソース自体がホネブトな録音である為か・・・ 意外にアレンジが電子音(死語か?)が主体になっている曲が多いのが発見でした。
シュールでファンタジックな歌詞の裏側に"子供の持つ残虐性"みたいな要素が垣間見れるあたりが彼女の歌の両義性を決定つけているのかも。
地道な活動が連綿と続く中で、30年という節目に、白盤/黒盤と意味合いを持たせてまとめるあたり、昨今の拝金主義的なレーベルのプロデユーサーに見習ってもらいたいものです。
リマスタリングしているのか、音質も優れています。昨今、はやりのガーリー・ポップスとはかけ離れた世界ですが、たまには歌の持つ深淵に触れてみるのもよいかと・・・
谷山浩子の幻想図書館 Vol.3~アタゴオルは猫の森~ [DVD]
こんなにしゃべっている石井AQさんや斎藤ネコさんを初めて見ました!
舞台に立つのはお二人ともほとんど初めてとのことなので、貴重な映像
だと思います。特にネコさんのヴァイオリンの腕には毎回感動します。
先日発売されたCD「テルーと猫とベートーヴェン」には収録されていない
「鯨のため息」「鯨のため息リプリーズ」の2曲が私は一番好きです。
まるで自分が鯨になって青く深い海に潜っていくような、静かでひんやり
した気分に浸れます。