天井桟敷の人々 HDニューマスター版 [DVD]
映画ファンなら、本作が世界映画史上屈指の傑作、文字通り必須アイテムである事は、今更言うまでも無いでしょう。自称「映画ファン」で本作を見たことが無い貴方!この機会に、こっそり買って昔から見ているフリをしましょう。(笑)
しかし、間違っても安いからといって500円版など買っては大損です。
僕は以前「風と共に去りぬ」でこの失敗をやらかしました。もう画質・音質の悪さにがっかり。後で、ワーナー正規品の「レストア版」に買いなおしましたが、これは完全に別物で映像・音声全ての点でパーフェクト、映像の力・音響の壮大さに素晴らしい感動を味あわせてもらいました。まあ、500円で、いい社会勉強をしたと今では思っています。
で本作の出来ですが、デモテープは見てませんが、SPOの他の作品のHDマスター版やデジタルリマスター版の出来から想像すると、これもハイクオリティと考えて問題ないでしょう。
映画ファンなら本作を最良の状態で鑑賞したいもの。断然このヴァージョンをお勧めします!!
天井桟敷の人々 [DVD]
初めて「天井桟敷の人々」を見たのは20年前。キネマ旬報のオールタイムベストで一位キープし続け、私たちの年代の映画好きは永らく観る機会が無く、悔しい思いをしてきました。ビデオの普及で幻の映画が気軽に観る事ができるようになり、やっと見る事ができました。観終わったあと一位キープも十分納得しました。フランスの小説に言う「ロマン=長編」の風格を持った大作です。未だナチスドイツの占領下でありながら製作が開始され、コメディフランセーズの全面的な参加の元、こんな映画が製作された事を奇跡の様に思われます。この映画で語られる人間模様、恋愛は現在(いま)に通じるメンタリティーを有していると思います。古今亭志ん生の人情噺に通じる人間観の確かさを映画の中から読み取る事も可能でしょう。古いフランス映画の入門としてはもっと軽やかな作品の方が良いと思われますが、いずれは観て欲しい名作だと思います。
天井桟敷の人々 [DVD]
ナチ占領下でこの大作を創ったフランス人の政治力に驚嘆。監督マルセル・カルネはいかなる人物であったのか。
作品への驚きは二つ。
1:パリの下町の庶民が生き生き。これはナチズムの映画としての戦いとみた。
2:パントマイムという最高の芸をみることができること。
パントマイムを演じるパチスト(ジャン=ルイ・パロー)、美しい女性ガランス(アルレッティ)との純粋愛。とにかく、パチストの芸に感動!
最後は女が去っていく。群衆にまぎれて、追い求めるパチスト...。
実に3時間。2部構成。
最高の作品。とくにパントマイムを演じるジャン=ルイ・パローには、驚きをあたえられること必至。死ぬまでに一度は観ておかないと...