男に咲く花
軽博な平成の世にあって、かたくなに昭和の良さを守る男。世の男達に花が咲く風景をみせるその男「山本正之」にこそ、花が咲いている。そんな男の待望のアルバムが2枚組で発売された。
あ〜る世代も、燃えよドラゴンズ世代も、日ハムチャチャチャ世代も寄ってらっしゃいみてらっしゃい。山本節がてんこ盛りだよお。
夕焼けタイムドカン:おなじみタイムボカンのオープニングで始まるこちらはタイムドカン。タイムボカン流用シリーズの流れを汲みながら、歌い続ける人生そのものを歌います。
府中捕物控後日談:アルフィーに提供し、シングル文庫でも発売された府中捕物控に幻の3番を追加して歌います。ちゃんとアルフィー高見沢氏の承諾も得ているとか。
大嘘清水港!ごめんなすって:予想通り歴史シリーズです。もちろん、歌詞には書かれていないダジャレで始まり、効果音も入ってます。
三河安城七夕美少女:ついに博士が三河安城にやってきた。美少女シリーズのある意味集大成。
名鉄西尾線のバラード:飯田線のバラード系かと思いきや何と作曲は1969年、高校時代とのこと。驚き。
CHINATOWN 泥棒物語・謝謝:泥棒された実話をベースにしたというニューヨークシリーズ新作。
おさかなオンナワルツ:おさかなワルツシリーズに恋模様を入れ込んだ!
男に咲く花:昭和をささえたオジサンに送るエール。男ならアジフライ定食だよね。
天の下には君のみぞ降る:世界中の恋模様を美しく描く。
あと恒河沙の銀河ありて:題名からは「綺麗」っぽい曲を予想したが、「旅の化石」っぽいノリで人生を歌います。ライブから遠ざかっていたため、知りませんでした。スミマセン。
BRAVE 勇気のうた:人生の応援歌なる新曲。
サスクハナ号の曳航IV父の戦争:偶然に見つかったというサスクハナ船長・父さんの従軍手記を絡めたサスクハナシリーズ第4段。昭和の転換点とも言える大東亜戦争を生きぬいた父上の人生とサスクハナが交錯する名曲。当然ピスは欠かせません。予想どおり30分の大曲です。
One More Hug 涙光るまで:10年以上前の曲がようやくアルバム化されました。めでたし。
AKB48総選挙公式ガイドブック2012 (講談社 Mook)
選抜総選挙までしかほぼ利用価値がないのに1,200円は高いです。
オールカラーページだから仕方ないのもしれませんが。
次に構成がよくありません。主力メンバー(昨年の総選挙上位20位まで)は
2〜4ページずつ掲載されているのに対し、それ以下のメンバーたちは1/2ページ
または1/6ページの掲載になっています。
昨年の総選挙の順位に対してのご褒美なのかもしれませんが、個人的には
普段あまり目立たないメンバーのことをもっと知りたかったので全メンバー
平等に扱って欲しかったです。
今年の総選挙にて投票すべく、誰にしようか参考にしたいのですが、
ほとんどのメンバーがひとくちコメントしか掲載されていないので参考に
しづらいです。
おまけとしてはポスターが着いてくるのでそこそこ買う価値はあります。
研究生も載っているので48グループの名鑑として考えればまずまずのデキです。
日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社プラスアルファ新書)
日本の農業はじつは強い産業であるという主張は、耳にしたのさえ初めてで、新鮮でした。ここまで鮮やかに目から鱗が落ちる読書はひさしぶりで、それだけでも読んだ甲斐はじゅうぶんにありました。ただ、これまでの、日本農業はひ弱に過ぎるという主張(あるいは農水省による洗脳)から脱却しきれていない頭には、衝撃が強すぎて、もう少し他書も読んで頭を冷やして勉強してからでないと、本書の主張の妥当性に関してはなかなか論評しがたい感がありました。
しかし本書を読んで、続けて農水省の人が書かれた「食料自給率のなぜ(扶桑社新書)」末松広之著を読むと、末松氏による農水省的主張が本書でことごとく論破されており、論争としては本書の完勝という感がありました。加えて、末松氏ら農水省の人々が自ら語ろうとしないところで何をしているかということが本書でよく分かりました。官僚の国民に対する説明と実際の行動の乖離ぶりを知るという点においても、この2冊を併読して興味深い知見が得られたように思います。
末松氏ら農水省の官僚に対して、本書の著者は、自らの職権が及ぶ範囲できちんと責任を果たせと諭しています。国民が何を食べるかといったことを農水省の官僚があれこれ指図しようとするのは越権ではないかと。職権が及ばないところに口を出そうとするから、精神論的なお説教しかできなくなっている。そうではなくて諸外国において農業政策に関わる同輩たちのように、日本の役人も自らの職権の範囲が及ぶところで戦略的にしっかりした仕事をするべきではないかと、本書では提言されています。もうこんな基本的な職業倫理にかかわるお説教をされるようでは官僚も終わったなと思います。
Another side of Seiko 14
彼女のシングルやベストアルバムを持っているファンにとっては、なぜ今更このアルバムを出したのだろう??と思ってしまうような選曲。アルバムのデザインなどもあまりお金をかけていない感じで、ちょっとがっかりでした。ヒットしたシングルの曲しか知らない方は、ぜひ聞いてみてください。
非選抜アイドル (小学館101新書)
秋元康のコメントがすべてを物語っています。このように自分の境遇に対する客観的な視点を持ち、それを的確に表現できる才能がある方がAKB48にいるとは驚きでした。稚拙な部分もないではないですが、ご本人の夢である声優へのステップとしてのAKB内の便利屋だけではなく、文筆業も本格的に取り組まれてはどうかと思います。コラムニスト、などというレベルでは終わらないモノの一端が垣間見えます。そのクールな視点を拡げて開花させてほしいと思います。
ご本人も認めているように、AKB48の中での存在感は残念ながら希薄ですが、AKB48自体を目的としない生き様は、すがすがしいものを感じます。
ご自分の生い立ち、今のポジション、普通ならば触れたくもない過去であり現在でもあったでしょうが、それをお涙ちょうだいにするでもなく、シニカルにするでもなく、淡々と語っていく様は、本人の歩まれた苦労を逆に浮き彫りにしています。想像を絶する苦労が、この少女には確実にあったのだと。
いくつかの誤植があり残念ですが、小学館は何をやっているんだか。