ないしょのハーフムーン (1) (小学館文庫)
初期といっても、かなり名前が売れた後のものですが☆主人公がボーイッシュでとにかく前向きな女の子です。血のつながらない兄へほのかに恋心を抱きはじめるのですが、なかなかじれったい展開です。また、天性の演技力があり、人をひきつけるところから、主人公はお芝居の道へ進みます。私はこの作品で著者を知りました。1番のお気に入りです。この作品の主人公ほどまわりの人をひきつける自然な女の子はいないんじゃないかな・・・と思えます!!
ないしょのハーフムーン (2) (小学館文庫)
主人公有羽の初主演映画は大成功!次回作のオファ-などが舞い込むが、有羽は慎一の側にいたいが為に引退宣言。でもマスコミに秘密にしている手前、慎一とも結局離れることに・・・。演じることが心から好きな有羽は舞台に戻ることを決意!ただまた問題は起きて・・・・・・。
有羽と慎一、互いに好きなのになかなかうまくいかなくてもどかしいです。
でもこれだけ主人公の相手役の出番が少ないのも珍しいかも。逆に新鮮だし、主人公の一途さが引き立ちますね。慎一がいない分、有羽に惚れている二人が有羽の側にいてくれて無条件に守ってくれるなんてうらやましい限りです・笑。この二人がどうして有羽をそんなにしてまで守ろうとするのか、理由が分かるだけに余計に切ないです。それだけ有羽は魅力的ですからね!
見返りを求めない恋ほど悲しいものってないです。人って求めていないと言ったって結局は知らずのうちに求めてたりするものですから。この周囲の二人は有羽が慎一のことを好きなことも、全て知っていてそれでも有羽を守ろうとするから凄いですね。ここまで人を好きになれることって少ないと思います。そんな風に人を好きになってみたいと思ってしまう作品です。
ないしょのハーフムーン (3) (小学館文庫)
とうとう完結の今作。有羽の舞台は?慎一との関係は?と気になる点が満載です。
有羽と慎一に関して触れてしまうと読む面白みがなくなってしまうので触れませんが、それにしても有羽に恋してる二人がいい味出してます。二人がいたおかげで物語に幅をもたせたと言っても問題はないと思います。二人の有羽に対する気持ちと有羽の二人に対する気持ち、双方の気持ちがよく伝わってくるので、どっちが良くて悪いかなんて決められません。そもそも決める必要はないのかも。互いに人間として接していこうとしているのだから。人に優しくするのは自分が優しくされたいことの表れとするなら、この三人は当てはまらない。三人は優しくされなくても、相手の為に無条件で相手の望むことをやろうとしている。綺麗事だと言われるかもしれないけれど、有羽らしい結論だと思える。そう思ってしまった時点で私ももう有羽の魅力にはまってしまったのかもしれない。