仮面の忍者赤影 (1) (秋田文庫)
赤影、白影、青影は、3人組の忍者。
それぞれ、凧、手裏剣などの得意技を持つ。
テレビ化され、大変ヒットした。
そのころの男の子は、忍者ごっこで、みんな赤影になりたがって、大変だった。
新・仮面の忍者赤影 (2) (秋田文庫)
こいつが敵か味方かで、戦況がおもいっきり左右されてるし……。誰一人倒せない、笛を誰が持っているかで勝ち負けが決まるとか、マジチートですよこの大蛇ってば。最後まで結局、生き残ってるし――。
ラスト辺りの展開は、賛否両論あるでしょうね。まあ忍者モノらしい展開といえば、そうなんでしょうが。無印赤影のリメイクながら、実際のところ楽しんで読めたのも確かです。こういうのもありだな、と読んだ後に思えました。
仮面の忍者 赤影 第四部 魔風篇 [DVD]
長く続いた赤影も終わりました
悲しいですね
魔風いかづち丸がジジゴラだったとはショックでした
赤影が終わってから坂口祐三郎さんには冬の時代が来ます
赤影のイメージが強すぎて役が回ってこなくなったのです
久留米で活動を続けていましたが急逝されました
ご冥福をお祈り申し上げます
さらば 赤影 僕らはあなたを忘れない
仮面ライダー・仮面の忍者赤影・隠密剣士・・・ 伊上勝評伝 昭和ヒーロー像を作った男
書店で何となく手に取って、10ページほど読み進めたところで「おおっ、これは…」と思って即購入を決めてしまった。それぐらいすごい。何が?井上敏樹による第1章「父と子」が、である。
正直昔の特撮作品にそれほど愛着がある訳でもなく、この「伊上勝」という人物についても「へえ、『赤影』とか(一番最初の)『仮面ライダー』のメインライターはこの人だったんだ」というのをこの本ではじめて知ったくらいで。どちらかと言えばその息子さんである井上敏樹の方が自分的にはなじみが深い(平成ライダー、中でも『アギト』『555(ファイズ)』『キバ』あたりのメインライターとして)。とは言え、個人的には同じ平成ライダーでも『龍騎』『電王』『オーズ』のメインライターである小林靖子の作風の方が好きだなあ…というくらいの。
それなのに、井上敏樹が自らの父である伊上勝について書き下ろした52ページほどの文章にはヤラレてしまった。その内容もすごいが、それ以上にすごいのは文体というか語り口というか、筆致というか…何というか私自身が割と若くして父を亡くしていて、その父に対してとてもアンビバレントな感情を未だに抱いているからかも知れないが、この井上敏樹による亡き父への批評とも追悼とも言える文章を読んで、自分の中にある父への複雑な感情が少し浄化されたような気持ちになったのである。少なくとも自分は亡くなった父について何か書けと言われてこんな風には書けない。久々に「プロの物書きの文章」というのを読まされた気がする。
かつ、私が思ったのは「陰と陽のバランス」ということである。もともと『仮面ライダー』という作品は石ノ森章太郎の原作がベースとなっている。そしてその原作の持つ怪奇性や正直明るいとは言えない雰囲気を再現していたのがテレビシリーズの13話まで、いわゆる「旧1号編」である。しかし主役の藤岡弘の撮影中の事故により14話以降は2号ライダーが登場、番組の雰囲気も明るい子供受けしそうなものになり番組は大ブレイクする…と仮面ライダーファンなら誰でも知っている有名なエピソードである。ここで大事なのは、「陰→陽」への転換がなければ『仮面ライダー』がここまで息の長いコンテンツになることもなく、かつその「陽」の要素は伊上勝に負うところが大きかったのではないか、という事実である。そう考えた時に、平成ライダーがどちらかと言えば「陰」に傾きがちな傾向を持つこと(特にプロデューサーが石ノ森原作を強く意識している白倉氏で、脚本が井上氏の場合)、あるいは作品の雰囲気自体は陽性であっても時に上手に「陰」の要素をエッセンスとして用いていることは大きな意味を持つのではないか、と。
井上氏が文章の中で「(どちらかと言うと)父がポジで、自分はネガ」と語っているように明らかに井上氏は父である伊上勝のことを「反面教師」として強く意識していて、そのことが脚本家としても伊上勝の作風である「娯楽性の高い、単純明快な勧善懲悪もの」という「陽」の要素に対するアンチテーゼとしての井上敏樹の「陰」の要素の強い作風を決定付けているのではないか、と。「陽/陰」「モダン/ポストモダン」「父/子」という、何と言うかその構図がすごく興味深かった。少なくとも、私自身は自分の人生なり生き方は亡くなった父の生き方に対する批評的継承であるべきだ、とこれまでずっと感じてきたので。
それにしても、作風は陽性だった伊上勝の実人生はかなり破綻していて(太宰治的な)で、反対に作風は陰性の強い井上敏樹の方が色んな意味で充実して堅実な人生を歩んでいるというのも何と言うか、アイロニーというか人生の本質を表しているなあ、とか。