Yesterday, Today, Tomorrow the Greatest Hits of Kenny Loggins
ケニー・ロギンズはどうしても、「フット・ルース」や「トップ・ガン」のテーマ曲Danger Zoneといったサントラがらみのヒットが目立ってしまうが、彼の魅力は温かみのあるヒューマンボイスにのった心温まる名曲、これに尽きる。Heart To Heart, Forever, Celebrate Me Homeといったじっくり聞かせる名曲の数々にも是非触れて見て欲しい。
High Adventure
たぶん彼のキャリアの中での最高傑作でしょう。スティーブ・ペリー、ニール・ジェラルドと共演したのりのりの1はさておき、マイケル・マクドナルドとの共作である3(マイケルもソロアルバムで取り上げていた。)、5、9(子供の誕生をテーマにした彼らしい暖かいナンバー)はどれもハイレベル。デビッド・フォスターとの共作6も彼のボーカリストとしての力量を十分に示す出来です。残念なのはこのアルバムの売りたい路線で突っ走った結果「フットルース」の大ヒットが生まれ、アーティストからエンターティナーに成り下がってしまったこと。このアルバム発売後の来日ツアーでは、渋谷公会堂(現CCレモンホール)で暖かいライブを見せてくれていたのに(観客席に下りたりしていた。)それ以降は、武道館でスター然としたコンサートになってしまいました。ロギンズ&メッシーナの頃から、ほんわかとした雰囲気に好感が持てた人だけに惜しいことをしたと思います。
Loggins & Messina
デビュー作は、ロギンズのソロプロジェクトが発展した形のため、ソングライティングはほぼ均等ながら、全体のコンビネーションという意味では少し不満な点がありましたが、今作では見事なバランスが保たれています。ヒット作3での2人のハーモニーはすごいの一言。これこそロギンズ&メッシーナの出発点と断言できる出来です。その他では、その後ステージでのハイライト曲となる11。2人の共作となるこの作品は、演奏面ではジム・メッシーナがイニシアティブを取っていますが、逆にボーカル面では常にケニー・ロギンズがメインになるように作られています。その後は様々な実験的な試みをアルバムの中でもステージでも展開してゆく彼らですが、このアルバムはその出発点であるとともに、両者のバランスをお互いに配慮しあった(遠慮しあったわけでは決してなく、非常に高いレベルでまとまった)唯一の完成品と呼べるアルバムかと思います。
リユニオン・ライヴ2005~シッティン・イン・アゲイン [DVD]
長髪をばっさり切った、前よりもむしろ若々しく精悍な雰囲気になったケニーと、「POCO(ポコ)」として、1990年に来日公演をしたときよりも・・・ますます貫禄が出ているジム。外見からは、昔の面影を感じることが難しいが、ライブはまさに時間を超越したすばらしいもの!
ヒット曲だけでなく、彼らの持ち味である、即興を交えた「バンド」としての一体感ある演奏が実に心地よい。
「You need a man(ユー・ニード・ア・マン)」の臨場感あふれるバンド演奏やアコースティックギター片手のデュオなど、「静と動」「陰と陽」「明と暗」などコントラストが印象的なライブが楽しめる。
アンコールに応えたあと、一列にメンバーが並んだバックには、あの名盤「ON STAGE(オンステージ)」が映されていた。(涙!)
「復活」しているグループやバンドは数多いが、時を経て「ふたりの絆」が深まったことを実感させる感涙のライブをぜひお試しあれ!
Outside From the Redwoods
ゲストにマイク・マクドナルドとシャニースを迎えてのライブ録音。これだけ名曲を揃えることができるのは一重にコンポーザーとしてのロギンスの実力。
ロギンス&メッシーナ時代の名曲 Your Mama don't Dance や Angry Eyes が収録されているのも古くからのファンにとっては嬉しい限り。特にAngry Eyesのアレンジには脱帽。
そして、ラストのFootlooseからI'm Alrightへと続くノリノリのロックンロールメドレーは圧巻。体を動かさずにこれを聴ける人は、、、どうかしてる!!