Romantic Warrior
76年発表の6作目。ポリドールからCBSに移籍してり第一弾にあたる作品であり、チック・コリア(k)、スタンリー・クラーク(b)、レニー・ホワイト(dr)、アル・ディメオラ(g) という4人のみの演奏による最期の作品となった。詩人ネヴィル・ポッターの書いた詩を題材にしたコンセプト・アルバムになっており、一般に彼らの代表作と呼ばれている作品である。
1.は変拍子を駆使したエレピによるシャープなシーケンス・フレーズが印象的な曲。はっきり言ってこのエレピのフレーズだけでも聞き物だが、楽曲そのものや構成、演奏を含めて彼らの作品の中でも群を抜く素晴しさを誇っている。クールだが凄まじい演奏は相変わらずである。この時期の彼らの充実ぶりは想像を絶したものであったのだろう。2.はどっしりとした低音を聞かせるファンクっぽい曲。この低音はちょっとクセになるかもしれない。チックのピアノはどこまでもクールだが、その美しさは表現しうる言葉が見つからないほどだ。3.はアコギとピアノがフューチャーされた幻想的で美しい曲。彼らの代表曲の一つであり、いわゆるフュージョンのイメージにかなり近い曲だと思う。メロディアスなベース・ソロも聴きどころ。4.は一転してリラックスした雰囲気のロックっぽいフュージョン・ナンバー。シンセとマリンバのユニゾンがどことなくザッパを、そして凄まじいギターが、アラン・ホールスワーズを思い浮かばせる。5.はカンタベリー系に直結したであろう・・・のジャズ・ロック曲。全てが聴きどころと言っても良い変化に富んだ構成が魅力だ。ここまで魅力的なフレーズを次から次へと繰り出す曲を私はほとんど聞いたことがない。
とにかくマシンのように正確で美しいメロディ/フレーズが満載。聞いているとシャキっとする。
悪貨 (100周年書き下ろし)
冒頭のホームレスに始まる100万円に関わった者達の展開は、島田さんらしい出来栄えで、悪貨というタイトルからも「罪と罰」的なものを感じ、グイグイと引き込まれる中で、一気に読んでしまった。
というか、読みやすいツクリなのですよ、この作品は。
そして、読みやすさの裏の面は、物足りなさであって、絶対に☆5は挙げられない出来なのです。
この100周年書き下ろしの粗濫ぶりもいい加減慣れてきましたが、折角の書き下ろしなら、もう100〜150頁増やして、通貨の業みたいなものを描き込んで欲しかったです。
あと、濃い登場人物が多い中で、読みやすい作品にするための、ソーダ的役割だった女刑事と、実は深みのなかった主人公は残念でした。
そして、執筆当時には、ここまでリアリティのなかったであろう「中国ならやりかねない」が、実にリアルになってしまい。作者本来の魅力から、ポリティック・ミステリーのように受け止められてしまう人が出ているのは、何とも皮肉な感じです。
島田順子スタイル
アラフォーにバブル期の話からさせてね。島田さんは 「賛否両論なれど、日本女性が髪からハイヒールまできちんと装い、似合うのはボディコンである」と、世に知らしめたかた。 理系学生の私は、女子大生を横目に見ながら、社会人になっても夢中で古着を集めた。パイソンの靴やスカートは今も宝物。 インテリアや器は、ずっと参考にしてきた。島田さんと小笠洋子さんには、影響されまくった。 コケットでありながら、清潔感のある装いを、これからもお手本にする。 それらの過去と人生観を踏まえ、今とこれからがぎゅと詰まった本。
東京の嘘 [DVD]
撮影・カット割は下手、カラコレ(色調調整)も下手、
あと台詞が役者の口に馴染んでない(つまり監督が役者に演技をつけれてない)。
ほんとに素人がつくったんじゃないの?と思うぐらい技術的にはダメダメですが、
監督・井上さんのセンスがいいのか(ただし演出能力は無い)、不思議な魅力のある、すごく心に残る作品でした。
あと岩田さゆりもすごく魅力的でした。