The Acoustic Side
新曲3曲を含め、アコースティック調に曲をミックス。「砂銀」のバージョン違いが収録されているため、ある意味ねこねこソフトマニアには痛い1枚。このアルバムからblue velvetは「癒し」を方向性に掲げていく。選曲は通好みだが、「Change Your World」、「Rescue Me」を加えるなど、敷居を低くし幅広い層のリスナー獲得を意識したものと思われる。
VIENTO~風の道
池田満寿夫による清楚なアートワークも美しい日本での第一作。いわゆる“ケーナ・サンポーニャ=フォルクローレ“といったジャンルではくくりきれないコンテンポラリーで分かりやすい音楽性はとても親しみやすい。バックミュージシャンもこの頃はフュージョンよりのかなり手堅い面子だ。元ピンクの福岡ユタカもコーラスで参加。なんといっても全体に活気がみなぎっていてとてもすがすがしい気持になれる一枚。サンポーニャの朴訥な響きも美しい。(なんといってもこのアルバムは曲がいいです)
Leaving Home best live tracks II
Iの方は未発表曲なしだったが、IIは未発表曲が5曲も収録。未発表曲はどれも気に入った。往年のフュージョンを思わせる曲調の「トーキョー・ローズ」が一番のお気に入り。Dマイナーの4ビート「グリーディ・ウーマン」とワルツの「ザ・レディ・イン・グリーン」もとてもいい曲だ。大貫妙子との共演曲「突然の贈りもの」も良かった。クレジットを見たときはアコギと歌で演奏しているのかと思っていたが、キーボードが伴奏を付けており、その上で大村憲司のギターがメロディーを奏でる。次に大貫妙子が登場する、その後ろでオブリガードのフレーズを奏でる大村憲司。渋い。
キーボードの音色がイマイチなどの不満もあるが、大村憲司のギターが堪能できるだけでありがたい。個人的にはIより、こちらのIIの方が気に入っている。
another world
楽曲の方向性「癒し」をより明確に打ち出したアルバム。
歌詞が稚拙な点もあり、一聴ではわかりにくいものの、自らが抱える多くの苦しみを受け止めてなお、同じ痛みを抱えた聞き手に手を差し伸べる優しさが滲む。ボーカルの彩菜の成長の跡が伺える。