シベリア 日本語版
"海外で数々の賞を受賞"なんて寸評を目にしても日本人の感性にあうの?
なんて疑問があったのですが、このシベリアはばっちりです。
ストーリーの面白さと、全体にまとわりつく不可思議さ。なにより書き込まれたグラフィック。
操作系のわかり易さ、丁寧な日本語化とアドベンチャー好きの方であればのめりこむこと必死!
絵図らは異なりますが、現代に溶け込むロボットって設定がジブリを匂わせ、
非常に楽しくプレイすることが出来ました。
経済ラップ 株式投資編
正直、歌詞は経済に詳しい方が耳にすると薄っぺらいと感じるかもしれません。
歌で出来るだけ具体的な例を挙げながら、わかりやすく解説しているので…。
逆に、経済を勉強し始めた人や、曲のタイトルを見て「この言葉って何だろ?」と思った人は一度聞いてみると良いかもしれません。
曲のリズムも悪くないと思います。
MP3で「連結決算」や「減価償却」といった会計的な歌もあるので、CDの続編を期待したいです。
ヤクザと原発 福島第一潜入記
ヤクザ専門のライターである鈴木さんのファンでしたが、福島第1原発に潜入されているという週刊誌の記事を読み、きっと本を出版されるだろうなと楽しみにしておりました。
ヤクザ専門のはずがこんな秀逸なルポルタージュになるとはさすがプロフェッショナルです。
一つ気になったのは、前半では楽観的に福島第1原発に侵入したり、潜入したりしていたのに、後半に周辺取材を進めていくうちに自分のやったことが極めて危険な行為だったと後悔しているのではないかと感じました。周辺取材後に感じた危険性をもう少し掘り下げて書いて欲しかったです。
著者の今後の活躍に期待です。
顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか
今や、日本の企業で失われつつある根幹の基本姿勢が「ザッポス」にあります。
まずは、その企業に勤める人すべてが、喜びも悲しみも痛みも分かち合う、そして船に乗って航海するがごとく、共に生きる運命共同体である”ひとつのファミリー”であることを忘れてしまっているのです。
それぞれが専門的な分野に特化してしまい、隣の人は何するものぞ、一切無関心。
あ・うんの呼吸なんてないのに、やたらと会議を設け、行動が伴わない単なる自身のポイント稼ぎのために目立ったアピールを重ねるか、無関心でただひたすらに凡庸であることを貫き通すかを机上で展開する。
そして、裏では、せっせとネット掲示板に風評を、(第三者的に名無しの)カキコミして、それが炎上するのをおもしろがる。
自身の親のことを、身内のことをそのようにカキコミできますか。
企業が大きくなるにつれて、ますます企業風土が分かりにくくなり、それゆえトップと雇用者間はその階層距離に対して相乗的に隔たっていくのかもしれません。
”私は、何としても、お客様を喜ばしたいの!”と思っていたとしても、そういうマインドはマニュアル通りに良い子ちゃんしておれば、それなりにお給料がもらえるから努力をしないことになります。
それよりも、マニュアルに掲載されない指示なきことを勝手に行動してミスした時の取り返しのつかないリスクを感じてしまい、手足が出ないことがあることと思います。
ここに本書を読んで、如何に”コア・バリュー”が形だけのものではなく、きもちのなかに浸透していく、いわば企業マインドを醸成していくかということをすごく学びました。
すでに過酷な企業戦士という名を持つ時代は去っていきました。
もっとフリーダムで伸び伸びと、”私がいることで、会社のみんなも、お客さんも喜んでくださっている=ハピネス”という、アグレッシブな最高のモチベーションを”天使の眼差し”で作り上げていくことが日本企業の課題なのかもしれません。