スピット・ファイアinbreed (ももまんじるし)
出版社は異なりますが『スピットファイアclassic』の続きのもので、
『家畜人』と称される完全会員制SM倶楽部に所属する12〜18歳の少年たちのお話です。
有頂天さんの描かれる絵は、とても可愛らしくとてもエロいです。
収録内容は、スピットファイアの本編を3本(3本とも書き下ろしです)、外伝を3本、全3話のオリジナルショタ漫画と盛りだくさんです。
とても読み応えの有る一冊なので、星5つです!
三谷幸喜のありふれた生活〈5〉有頂天時代
まず、サブタイトルの「有頂天時代」と表紙のイラストに大笑いしました。
別に三谷さんがチヤホヤされて有頂天になったわけではなく、「有頂天時代」を撮影、公開していた時期に書かれたコラムなので、こういうタイトルになっているわけですが、表紙のイラストを見ると、「三谷さん!あんた、有頂天になっているね!」と突っ込みを入れたくなる!
(多分)この本を編集した人の意図通りの反応です。
朝日新聞の夕刊に連載したコラムをまとめたもで、2005年4月から2006年4月までの掲載分がまとまっています。
他の巻同様、適度な読み応え、ニヤニヤする内容は相変わらずですが、
大きなトラブルがないので、三谷さんが比較的淡々と、仕事に追われて暮らしている日々が描かれています。
(そうそう、お馴染みの高校の同窓会の描写がないので、2005年は同窓会、行くことができなかったんでしょうかね)
巻末は舞台のパンフレット用に書いた色々な俳優さんに寄せた文章が掲載されていますが、思い切って、これはテイストが違うので、スペースが空いたところ用に載っけられた文章という印象になってしまいました・・・なくてもよかったかも。
有頂天家族
主人公:狸の名門・下鴨家の三男・矢三郎は狸元来の阿呆の血が行きすぎで周囲を良く困らせる。人間は街に暮らし,狸は地を這い,天狗は天空を飛行する。平安遷都この方続く,人間と天狗と狸の三つ巴・・・その中で繰り広げられる破天荒な事件の数々「面白きことは良き事なり!」
狸・天狗・人間を巡る京都を舞台とした短編からなるファンタジー(!?)であるが,物語は1連の流れからなり,長編とも読める。始めは文章と設定に慣れずに先へなかなかページが進まなかったが,この世界観へと入り込んでしまえば,楽しくて楽しくて仕方のない物語であった。ただし,人によっては全く読めない(面白くない)と思う人もいると思われる物語であると感じた。私としては最近ではお気に入りの部類に入る本である。
THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション [DVD]
映画としても見ました。DVDも本編と副音声と見ました。特典も見ました。で、疲れました。
決して嫌いではないです。三谷幸喜は好きです。でも、これはやっぱり詰め込みすぎじゃないの?
本編そのものも、ちょっと欲張りすぎの感じです。メインキャラクターが23人ですが、全部がきちんと活きているとは言い切れません。
DVDは、例のごとくこれでもかこれでもかと映像が収められています。2度見るものがどれだけあるのか、と思いながらともかく見ました。
でも、やぱりスペシャル・エディションを買ってしまうというのは、好きだからなんですね。
有頂天家族 (幻冬舎文庫)
この京都には、人間と天狗と狸が住んでいる。いつも通りに森見さんの仮想京都は、不思議がいっぱい。
主人公とその兄弟達、母親と亡き父親と、家族の姿が愛情深くて愛しかった。天狗と弟子の師弟関係も、多くを語らずに本音と体面を守る作法が粋だ。破れた恋の苦味がほんのりと効いている。
阿呆の血のしからしむるままに、目の前の些事にうごうごする狸たちの姿は、そのまま読み手と重なる。この世界を動かすような権力とは無関係だし、弱肉強食のような生命の危機とも無関係で、当たり前の日常生活を飽きずにひっそりと繰り返し送るものたち。
だけど、それなりに毎日を生き延びて、それなりに楽しんで生きていられる。そんなところに尊さを見出して、最後のページのような言葉を紡ぐことができる作者の感覚が好きだと思った。
もふもふの毛玉や、ふはふはの毛玉のような、柔らかで温かい毛玉好きにお勧め。