Complete Best intermezzo
良かったです(^_^)
音楽家として年月を経るごとに着実にステップアップしている様子が諏訪内晶子には常に感じられますね。
前作のBESTだった「Clystal」に比べると、より音の芯部がしっかりしてきたなと強く感じます。
演奏家は演奏中にともすれば演奏そのものに酔ってしまい、作品を安っぽいラブレターのように仕上げてしまう危険を常に孕むのですが(もちろん、それがその演奏家の個性であり、だからこそ良いと感じられる方も大勢いらっしゃるのだと思いますが)、諏訪内晶子はいつも、良い意味で演奏している曲を「つき放し」、少し離れた場所から曲を見ている観があります。
それでいて、常に何か、こらえ切れない情熱の火群のようなものがチロチロと辺りに迸り出ているのをはっきりと感じさせる・・・・。
こんな、一見矛盾する要素を見事に融合させている所が、わたくしが彼女を稀有なヴァイオリニストだと思っている所以なのですが。
DVDのインタビューで、彼女の話しぶり、ものごし、考え方、そういったものを見て、「なるほど、こういうキャラクターだから、あのような音が出せるのだな」と納得させられました。
ともあれ、諏訪内晶子独自の音世界をダイジェストで聴きたい方にお勧めのCDだと思います。
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
諏訪内さんの解釈と演奏力が、堅苦しい?はずのバッハを優しく、おだやかに聞かせてくれるような演奏。できるかぎり精緻な演奏装置で聞いてみてほしい作品。
そのほうが、弦のきらびやかさまで、しっかりと聞こえるものと思うから。
渾然一体の中から、ソリストと伴奏者の掛け合いを、息をのんで見守ることができる演奏。
余韻まで楽しめるバッハ。眠くならないバッハ。すばらしい。
ツィゴイネルワイゼン
こう奏でたい、という意思と、こう弾くとこう鳴るんだという技巧の絶妙なブレンド。
諏訪内さんのヴァイオリンの走るような演奏、それに牽引されるオケのフォローも良い。
ソリストとしての演奏はこうあるべき、という計算と錬磨が見事に奏で合う演奏。
正確なんだろうと思いつつ、だれも届かない至高の正確さを追い求めるかのような演奏。
カルメンがいいな。きっと心に描いているのはカルメンのような情熱。
どの曲にも主張があって素敵なアルバム。
心躍る演奏ってこういうのだろう。
impressions THE BEST OF SUWANAI(初回限定盤)
諏訪内が残した名演の数々から、幾つか抜粋して、一枚のCDにまとめたもの。聴かせどころの巧みさがよく分かり、彼女の並々ならぬ技量と精神力に新たな感激を誘われます。