おなじ星
何年も聞いているけれど、歌詞がいつまでも褪せずに心の中で響いている。
特に「何があってもこの腕がちぎれそうになっても」というところから後の歌詞が、特に良い。
献身的、運命的なイメージがこの曲をより素晴らしいものにしていて、この曲を聴くたびに好きになっています。
林檎のためいき
恋人を含めた他者との「解り合いたい」「つながりたい」
という想いが全編にわたって描かれたセカンドアルバム。
タイトルに書いたようなことを僕に教えてくれた作品でも
ある。
ファーストではポップな曲調に乗せた初々しい恋愛の
歌が多かっただけに、その進歩とギャップに驚かされる。
歌詞に限って言えば、ここまで深く自分の精神と向かい
合い、それを痛々しいほど赤裸々な歌詞にしてしまう高木
郁乃の作詞能力は正に“身を切る表現”と言える。並大抵の
精神力では出来ないことだと思う。
そのことがグループ自体の活動休止につながってしまった
のかどうかは知るべくもないが、セカンドにしてこれだけの
クオリティのものをつくってしまった彼らはやっぱりすごい。
グループ名から連想される明るいイメージとは裏腹な
色々な意味での重さに、敬遠してしまう人もいるかもしれ
ないが、これに共感・感情移入できる人は少なくないはず。
〈COLEZO!〉ジャンスマポップ~シングル集~
昔JALの機内音楽として聞いた「白い恋人」が聞きたくなって。でもなんていうミュジシャンがやっているのかわからなくて。何とかたどり着いて買ったこのCD。歌詞カードを見ていて、高木いくのが書く詞がどれも本当にセクシュアルだなと思って正直驚いたのですが…。でも良く考えると、古い世代である自分(50代の入り口)と最近の若い人たちの感覚・感性の差。例えば今の子にとってのSEXは、たぶん昔のキスぐらいなものだろうという。そんなことを改めて感じました。
でもどの曲も個性的で、素敵な曲だと思う。だいたいテルミンなんて電子楽器の元祖みたいなものまで使っていながら、ちゃんと曲が構成されているなんてすごい。
ユニットが復活して欲しいと強く思います。
やわらぎ
あ、イクノフの声だ。と嬉しくなりました。その詩世界も、いい意味で変わらないまま。やはりこの人にしか描けない世界が確かにあります。
吉田ゐさをさんの緊密なアレンジとのせめぎ合いが一種の緊張感をもたらしていたジャンスマ時代と違い、本作は肩の力の抜けたピアノ主体の優しい音です。
まっすぐな「詩」が心に届く、最近では珍しいアルバムだと思います。
ジャンスマの諸作品と同じように、じわじわと沢山の人達に聴かれていって欲しい作品だと思います。