卒業 [Blu-ray]
☆ブロードウェイの新進気鋭の演出家だったマイク・ニコルズが、過激な問題作『バージニア・ウルフなんかこわくない』についで発表した2本目の監督作品。無名の新人ダスティン・ホフマンを、一躍大スターにした名作として、まず知られているが、同時にこれは、かなりきわどいセックス描写を、軽いフットワークで飄々と見せた作品でもあった。新人の起用、自由な性描写、斬新な音楽と、【アメリカン・ニューシネマ】の特徴を、合わせ持った先駆的作品である。主人公のベンジャミン、愛称ベン(ダスティン・ホフマン)が、大学を卒業して実家に帰るところから始まる。実家は金持ちで、どうやら急いで働かなくてもいいらしい。卒業祝いのパーティで知り合ったのが年増のロビンスン夫人(アン・バンクロフト)。彼女はベンを誘惑し、関係を深めるが、次第にベンのほうも夢中になってしまう。ところが休暇で、ロビンスン夫人のエレーヌ(キャサリン・ロス)が帰ってきた事から、おかしな事になる。両親の進めでベンは、イヤイヤながらエレーヌとデートをするのだが、その純真さに参り、本気で恋をしてしまうのである。だが母親との関係を知り、他の男と結婚を決めた彼女を、ウェディング・ドレスのままさらっていく映画史上に残る名シーンが有名。アメリカン・ニューシネマの先駆的作品では『俺たちに明日はない』と双璧だが、ユーモア感覚にマイク・ニコルズ監督の余裕が垣間見える。等身大の特質が魅力のダスティン・ホフマンの見事な演技力が白眉☆。
たった一人のあなたのために [DVD]
ノスタルジックな情景の中で、往時の様子がよく表われていると思います。
そんな中で、セレブな生活をしていた気品高い美女とその子どもたちが、夫の浮気が元で家を出て、アメリカを東から西へとRoute 66に沿い、旅に出るのです。
元カレの旧知などを頼って、再婚して幸せな家庭を築くというのが目的で、前へ前へと進んでいくのですが、そうはうまく行かず、どこでもかしこでも失敗に終わるのです。
またたくまに残るお金も少なくなってしまうのです。
ところが、母親はいつも楽観的であり、次はどうにかなると新天地を求め続けるのです。
じゃじゃ馬のごとく、わがまま。
それが、またいちだんとかわいらしい。
子どもたちは母親に振り回されっぱなし。
でも、子ども（弟）の方は大人びたしっかりとした意思を持っている。
今まで真正面から見てくれなかった母親にしばし反抗はするのですが、やはり家族は離れられないものと確信するのです。
この気品高い美女であり母親を主演するのは、数々の賞を受賞してきたレニー・ゼルウィガーです。
よく熟れた果実のようであり、役柄がピッタリと来ています。
全体的に、活劇のようなイメージがあり、アメリカの1953年という古くてカッコいい感じがキュートにも思えてきます。
