GERMS 狙われた街
グランドセフトオートシリーズをPS1で実現させた?かもしれない国産ゲーム。
箱庭リアルタイムアドベンチャー系です。自由度の高さとマップの広さは特筆。
視点は一人称でFPSと同じ感じですが、操作性に難あり。
十字キーの上下がなぜか視点の上下に割り当てられています。前進後退は△、×に。
なぜ、キングスフィールド等のように十字キーは前後左右移動、L2R2を視点の上下にしなかったのか理解に苦しみます。
このせいで思った通りに動けず、特に戦闘ではイライラします。
せめてコンフィグでキー割り当ての変更が出来れば。。
質の悪いグラフィックや変なサウンドはあまり気にならないのですが、操作に慣れるのには苦労しました。
内容も悪くないだけに操作性が悪いのがとても残念です。
Germ Free Adolescents
アーリーパンクには、ポリス、スジバンという別格的存在を除いて、ピストルズ、クラッシュ、ジャム、ストラングラーズ、ジェネレーションXと続くレコード会社好みの表パンクと、もう1つ、裏パンクとがあるのだけど、裏パンクの横綱がアドバーツとバズコックスとするなら、Xレイスペックスは大関にランクされるべきだろう。なにしろ1枚しかアルバムを出していないが、このアルバムだけはいつ聴いても新しい。今、デヴューしたバンドと言われてもさほど違和感がない。車で聴くにも最適だ。表パンクが、今は古臭くて聞いていられないのに対して、裏パンクのバンドの曲は色あせないで残っている。これは、流行によらず、オリジナリティと本質的なものを追求した証ともいえる。「みるべきものはここに在り」というアルバムなので、これは聴いたほうがいい。
Guns, Germs, and Steel: The Fates of Human Societies
文明の勃興や競争を地理的要素を重視して語るので、Geographical determinismだと揶揄されることもあるこの本ですが、極めて切れ味がいい理論です。雑多な出来事の流れに過ぎないようにも見える世界史の流れに、生物学や地理学という座標軸を設定すると、今までの人文科学てきな歴史観では得られなかったことが見えてきます。細部を捨象した大鉈をふるうような理論なので、色々批判は出来ますが、全体としては本質をかなりうまくとらえていると思います。
ピュリッツァー賞を受賞した本作ですが、英語自体は平易です。知的な体験を求めている方に是非お勧めです。
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
本書の特色は、以下の3点に要約できます。
○人類史の展開を、進化生物学、病理学、遺伝学、生物地理学、文化人類学、言語学といった広範な隣接分野の研究成果を踏まえて多角的に考察し、純粋な自然科学として歴史を探求するアプローチの有効性を検証してみせた。
○人類史の展開を、人種の優劣からではなく、環境要因が人間社会に及ぼす作用の累積の結果として捉える仮説の立証を試みた。
○人類1万3000年の歴史を「銃」「病原菌」「鉄」をキーワードに編纂し、文明の変遷を地球規模で探求する1つの壮大なストーリーに纏めてみせた。
『銃・病原菌・鉄』は、人類史をあつかっていますが、文系ではなくて理系の自然科学本です。とはいっても、読んで理解するのに特別な科学知識や素養は必要とされません。著者のJared Diamond氏がUCLAの教授であること、そして、人類史の自然科学的考察を試みていることで、ともすると学術書と思われがちですが、決してその種の無味乾燥なお堅いではありません。それではどんな本かというと、さながら学術書のように論理を緻密に組み上げ、展開するノンフィクション教養本です。
本書に記された内容は、極めて信憑性のある学術研究データに基づいて記されています。しかし、だからといって、本書を学術書とみなすのは誤解です。実際のところ、原書は、語彙においても言い回しにおいても、ノンフィクションとして楽しみ読めるように書かれています。日本人の読者もまた、邦訳を気軽に読んで、人類1万3000年の壮大な歴史ミステリーを楽しむべきではないでしょうか。
本書の魅力は何と言っても、読み進むにしたがい増幅されるスリリングな謎解きの妙です。読者は、著者Jared Diamond教授とともに時空を超えて地球を旅し、人類の文明が大陸ごとに格差ある展開をなした直接的要因を探ります。1つの謎に対する科学的な答えが、次なる謎を生み、次なる謎に対する科学的な答えが、また次なる謎を生むといった流れの中で、新たな知見と疑問の鎖を辿る謎解きの妙が次から次へと展開されます。しかもこのスリリングな謎解きは、人類社会が大陸ごとに異なる発展を遂げた究極の要因が明らかにされるまで続きます。次にどのような謎が解き明かされるのだろうかとの期待感でページが読み進み、本書が上下巻800ページ超の大書であることを時として忘れてしまうほどです。
まとめると、『『銃・病原菌・鉄』は、読み易く、その上示唆に富んだノンフィクションミステリーです。人類史という至って真面目なテーマをあつかっていますが、アメリカの大学の真面目な学者先生が書いた本とは思えぬほどワクワク、ドキドキ感満載の本です。人類史を史実や様々な分野の研究成果から科学的に解き明かそうとする本で、歴史ミステリー的に楽しめます。私の感想では、『銃・病原菌・鉄』は、膨大なフィールドリサーチと研究に基づき、人類の歴史がなぜこうも格差ある進展をとげてきたのか、という「1万3000年にわたる人類史の謎」を様々な自然科学の観点から解明しようと試みた、読んでお得な定価945円の文庫本と言えます。なお、後半部は前半部に比べ記述が中だるみ的になるところが欠点といえば欠点です。これだけボリューミーな本なので、そこに目くじらを立てる必要はないと思われますが、その分、評価は☆1つ減らさせていただきました。
Guns, Germs, And Steel: The Fates of Human Societies [New Edition]
人類の誕生以来、人がたどった道筋を詳細に、そして文化人類学的に解説している作品。その切り口は、この本の題名のとうり、銃、細菌、天然資源、さらに言語、飼育、食用植物の栽培、社会的集団の形成など多岐に及ぶ。なぜ定住民族が、ローマ帝国や中国の王朝などの強大な勢力を持つ国にまで発展できたのか、またそれに反して、なぜ狩猟民族が、部族の単位ほどにしか発展しえなかったのかなどについて論じている。
内容は実質的で的を得ているが、もう少し簡潔に書いた方がより理解しやすいものになったと思う。