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なぜ古典を読むのか (河出文庫) イタリア人作家による、古今東西の古典を自由自在に論じたエッセイが32篇。表題「なぜ古典を読むのか」という、カルヴィーノらしい軽妙なエッセイが巻頭に置かれ、その後は「オデュッセイア」、オウィディウスから「ロビンソン・クルーソー」「パルムの僧院」、バルザック、トルストイ、そしてコンラッドやヘミングウェイ、ボルヘス、レーモン・クノーまで、取り上げられている作家・作品はさまざま。ガッダ、パヴェーゼなどイタリア人作家を取り上げた文章も比較的多いのが、イタリア文学好きには貴重です。
 訳者あとがきによると、これらの文章はもともとイタリアのエイナウディ社の文学叢書のまえがきとして書かれたものが多い、とのこと。その訳者は須賀敦子さん。本書でもすばらしい訳文を堪能させてくれます。
 カルヴィーノ好き、そして文学を愛する人必読の、贅沢なブックガイドです。

水の柩 胸が痛くなる作品。しかしそこに救いが・・・ミステリーではないけど こういう作品もいいと思う
君は歩いて行くらん―中川幸夫狂伝 (「美」の人物伝) とても面白い。筆者がかつていけばな評論家だったとは驚いた。巻末から想像するに、フィクションとノンフィクションを巧みに織り交ぜてあるのだろうが、さて、どこからがフィクションなのだろう。まるでドラマを見ているような展開で、読んでいるとどんどん映像が浮かんでくる。さすが名脚本家が書いた小説といえる。
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