幻の名盤解放歌集 絶唱!野坂昭如 マリリン・モンロー・ノー・リターン
幻の名盤解放歌集 絶唱!野坂昭如 マリリン・モンロー・ノー・リターン天才とは、稀有な存在である。フランスの詩人、ジャン コクトーしかり。軽業師とも、称されたものの彼の仕事は終始徹底していた。手抜きがない。とことん、追求しようとする確固たる姿勢がつらぬかれていた。翻って野坂さんである。コクトー程多芸多才では無いものの、早くから自分のスタイルを確立し一目置かれる存在であったことは、周知の事実である。そんな、彼が唄う。上手くもないが、決して下手でもない。聴いているうちに、ハマル!叙情性とか、詩的とかはこの際抜きにして。ハマル。珠玉の短編集を、あたかも読むように、聴き惚れる。彼の文体も好むが、それ以上に聴きほれる名曲づくしのアルバムだ!損はないから、聴いていただきたい!そういう人である。野坂昭如とは。
火垂るの墓 [DVD]
~初めて観た時には最後に泣いてしまいましたが、2度目からは最初と最後の両方で、毎回泣いています。
戦争を知っている訳でもないから、この映画の時代背景を完全に理解する事が出来ないのに、そんな物とは全く関係のない部分に共感し、泣けるのだと思っています。
いつの時代であれ、絶対に子供の顔から笑顔が無くなるような事があってはいけないと、強く~~考えさせられる映画です。
観た事の無い人は、是非1度見てみて下さい。~
日本の仁義 [DVD]
日本の首領シリーズから続く東映の大作路線。
頂上作戦当時、関西で山口組と対抗できる唯一の組織だった本多会が大まかなモデルとなっている
フランキー堺や藤田進など異色なキャストもあるが、ほぼオールスターキャストの王道路線
広島死闘編や日本の首領でイケイケだった千葉ちゃんが耐える役だったのが少し残念
戦争童話集 (中公文庫)
自分がここに収録されているもので初めて読んだのは、第4章の「凧になったお母さん」の単行本だった。中学生のときの集団読書タイムの時間、クラス一斉で読まされたものだった。その前にも、図書委員が作成し図書室前に掲示されていた図書室だよりにもおすすめ図書として紹介されていたので、名前だけは知っていたのだが、いざ実際に読んでみると、その描写とシチュエーション・お母さんの行動に一瞬で自分がノックダウンしてしまったものだった。「火垂るの墓」以上に深刻に脳裏に衝撃と印象が残った、野坂作品で最上級にノックダウンさせられる一編だった。
大人になってから改めて「戦争童話集」読んでみても、中学生の時に初めて読んだ「凧になったお母さん」だけは特別な思いで読んでいる。恐らくお母さんは、もう砂場に来たときから覚悟はできてたに違いない。だからあれほど大胆なことまでして、すべてが尽きてしまっても何が何でもカッちゃんに水気を与えてやろうという意思が最後の最後の一瞬まで朦朧としても働き続けてたのだ。
他にも、「小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話」「ソルジャーズ・ファミリー」「八月の風船」などにも目を通すと、テレビで見たことのある南方戦や風船爆弾のシーンが脳裏に再現されてくるが、視覚的な再現はできるものの、そこに匂いや音・空気といったものは何度読み返してみてもつかめてこない。「凧になったお母さん」も含めて、その辺りの描写をもう少し我々に伝えられてきたら・・・という思いはあるものの、政府・軍部中枢や戦場を指揮した司令官ではなく、太平洋戦争時最底辺にいる人間の存在に的を絞り、大人から子供まで衝撃を与える筆者の、挿絵を借りずに活字のみの描写とシチュエーション・行動の配置にはやはり最後に残らないものが何もない(残るものばかり)である。一編一編はそう大した文量ではないものの、この童話集は、そういう意味では、同じく一般市民側を描きアニメ化された「火垂るの墓」とは全く別のものと読んでみたほうがいいのかもしれない。
「エロ事師たち」より 人類学入門 [DVD]
実は、今村昌平の映画とは、個人的にあまり相性がよくないようで、ほとんどの作品はそんなに好きではなのだが、本作はその中では珍しく大好きな映画。個人的には氏の最高作だと今でも考えている。
1966年キネ旬第二位に輝いた本作は記念すべき今村プロの第一作でもある(それまでは日活で撮っていた)。
白黒・スコープサイズという、当時の今村のお得意の様式で活写される「エロ事師」稼業のバイタリティあふれる可笑しさは、常連の小沢昭一の怪演と相まって、同時代のその他の映画の中にあっては飛び抜けた存在感を今でも誇っていると思う。だが、今村ファンからはなぜか、本作の評価はそれほど高くないことはこのレビューの全滅ぶりでもおわかりいただけよう。
今村は本作の成功を契機に、その作風に微妙な変化をもたらしただろうと考えている。いい意味での「軽み」のようなものを、その作風に備えることになったのだ。それは70年代以降の今村作品のキーとなる要素だ。
本作の面白さは、野坂昭如原作によるところも大きかったと思う。
蛇足だが、今村氏には生前、一度も個人的にお会いしたことがなかったのは今となっては残念だが、野坂氏とはあるパーティでお会いして、原稿を頼んだら即決で了解してもらえた。飲んだくれだが本当に気のいいおっさん。今リハビリ中とか。頑張って長生きしてもらいたい。