漫々快々―みんなのマンガがもっとよくなる (Comickersテクニックブック)
菅野氏によるマンガ教本シリーズ三部作の真ん中にあたるもの。
私は3作目に当たる「漫画のスキマ」を読了後、購入して読んだ。他のレビュアーの方も指摘している通り、「〜スキマ」に比べると、添削形式の本なので、実例がある分、解りやすいとはいえるかも知れない。
ところで漫画というジャンルに限ってだけいうと、「〜入門」とタイトルのついた本には使えるものが殆どないというのが情けないことだが、現状である。
手塚治虫のような大家の書いたものからしてそうだし、石ノ森章太郎、藤子不二夫、竹宮惠子、里中満智子といったお歴々の書いたもの全て駄目である(ついでに言っておくと、本書の版元である美術出版社から出ているマンガ関連の技法書も殆ど駄目。「マンガ基礎テクニック講座」とか姉妹版の「スーパーテクニック講座」とか、未だに刊行されているが、はっきり言って金の無駄である。マンガの描き方を教えるというより、マンガっぽい絵のカタログのような内容だったり、単に道具や用紙の説明、プロの漫画家の苦労話などが載っているだけで、実用性は全くない)。これらの入門書に限っていうと、実情は漫画家の養成書というより、漫画家のアシスタント養成書といった方が妥当な気がする。
これらの本の著者は読者にマンガを描けるようになってほしいなどとはさらさら考えていないことは確実である。
ページを開いてみれば一目瞭然だが、ペンの使い方、用紙の選び方、集中線の引き方、トーンの張り方(これらは全てアシスタントに要求される技術である)などが主だった内容であり、コマの割り方については一切触れていない。
ペン入れ、トーン貼り、カケアミなどの細かい技術は自分の考えたストーリーを、鉛筆できちんと描けてから要求される技術である。これを本末転倒といわずして、なんと言おう?この部分に関して、自身のテクニックやコマ割り(紙面構成)の極意を語った漫画家はただの一人もいない。これはそうした紙面構成のテクニックなど教える気がさらさらないことの明白な証明である。次作に当たる「マンガのすきま」のレビューに「頭でマンガを理解したい人向き」などという馬鹿なコメントを寄せている人間がいたが、セオリーのない創作などはないということも分からないのだろうか?マンガに限らず、小説でも映画でも、およそ創造的な作業というものは全て高度に知的な作業である。感覚や直感などだけに頼って成立する行為ではない。
残念ながら、本書も漫画のセオリーをきちんと説明してはおらず(というより、する気がないのか?)、これ一冊だけ読んで漫画の極意が掴めたなどという人はただの一人もいないだろう。ただベテラン諸作家のいわゆる「入門書」に比べれば、実用度は幾分高いとはいえるかも知れない。
今現在の時点で、公刊されている類書の中で際立っているものを挙げるなら、やはり夏目房之介氏による漫画論の著作、中でも別冊宝島より出された「マンガの読み方」ぐらいのものだろう。疑問に思うなら、今は廃刊になっているが、古書ならヤフオクなどで手に入るので、一冊手に入れて読んでみるといい。目から鱗が落ちること受け合いである。(夏目氏の著作の中では、その他には手塚治虫に関する研究書や講演集などがお薦め)。菅野氏が出版した3冊の教本の最終作(?)に当たる、「マンガのスキマ」では夏目氏の仕事に追いつき追い越せとばかり、「視線誘導」に関しての詳しい言及が読めるが、正直な話、夏目氏ほどマンガの構造原理を的確に言葉で説明できないため、徒に難解に堕している感なきにしもあらずであるけれども(秘奥義などと、大それた副題を付けているわりにはね〜。でも視線誘導がマンガの「てにをは」なら、それを「秘奥義」にして来たマンガ界って一体何?)。
マンガのコマ割りに関して悩んでいる諸兄にははっきり言っておきたいのだが、マンガには言葉で箇条書きにできるほど、はっきりした理論が存在する。
マンガには大雑把に少年マンガと少女マンガがあるわけだが、少年マンガのコマ割りは概して一義的であり、少女マンガのそれは二義的あるいは多義的なものである。
少年マンガのコマの並べ方は平面的であり、間白とよばれる決まったサイズの枠線に挟まれた空間の間に、等間隔に並べられるのが普通だ。ここでのコマの動きは水平方向を目指している(左右上下)。
一方、少女マンガのコマ割りは垂直的なもので、これは重ねゴマとか枠なしゴマとよばれる特殊なコマ配置によって達成される。夏目氏はこれをアニメのセル画と背景画を重ねるような構造と書いているが、この考えをさらに一歩推し進めると、その構造はコマ自体がコマの中に描かれる絵より先に紙面上で前進後退に似た運動を行うことを意味している(少年マンガの場合はコマそのものは秩序を保った配列のまま、コマの枠線内で絵がアップになったり、ロングになったりする。言い換えればコマそのもの、或いはコマ内の絵の縮小拡大によって、類似した効果を得る)。
本来、枠線によって仕切られるコマが重ねて配置されるということは、そこに手前と奥という垂直構造が発生することであり、これは運動のベクトルとしては上下左右という二次元上の動きに奥行きという三次元の要素が加えられることを意味している。舞台上で俳優が前へ出て来たり、後ろへ下がったりする光景をイメージすると解りやすいと思うが、コマ自体がこれと同じ動きを行うのが少女マンガの基本構造だ。コマの中に描かれる絵に先行する形で、コマ割りの段階で奥行きが生じるのだから、少女マンガの紙面構成は凝っているといえる。言い換えるなら、絵画表現が基本的に持っているパースペクティヴの力をコマ配置によって具現化したのである。少年マンガが行っていた水平方向の運動に加えて、垂直方向の運動を加味したのが少女マンガの基本構造(水平のみの少年マンガに比べて垂直が加わるので運動としては二義的になり、少女マンガに慣れていない読者は、余計な作業が一つ増えるわけだから、読みにくいと不平を漏らす)というわけだが、こうした記述を行っている理論書というのには殆どお目にかかったことがない。
もちろん少年漫画にこうした垂直的な運動が全く欠落しているわけではなく、少女マンガのように、重ねゴマなどという凝ったテクニックを用いずとも、コマ自体の拡大縮小、コマ内の絵の拡大縮小だけで十分事足りると考えているのかも知れない。ただ少女マンガの方がこうした垂直的な運動に関して、より自覚的であるとはいえると思う(先述の夏目氏は、少女マンガ特有の技法に対して否定的で、あんな装飾的なことなど・・・と以前テレビのマンガ夜話の中で口を滑らせている)。
自動車のエンジンを設計する技術者で、エンジンの基本的な仕組を理解しない者はいないと思うが、マンガに関しても同じことが言えるのではないだろうか?
10年大盛りメシが食える漫画家入門
萌えキャラの顔のバランス、黄金比について書かれている章があるのですが
これが『萌え絵の教科書』とほぼ同じ、パク・・・じゃないかと思ったら
こちらの『大盛り』の方が二ヶ月ほども先に出てました。すみません。
この萌えの黄金比はとても面白いと思います。
萌えキャラだけでなく顔の黄金比も使えるテクニックですね。
ちなみに元々は漫画家の「あろひろし」先生の説だそうです。
【初回限定生産】BOYS LOVE 劇場版 ディレクターズ・カット完全版BOX(2枚組) [DVD]
健闘しているかなぁ ただ前作同様小道具と舞台となる学園が貧乏くさいっ (特に寮の布団と食堂はヒドい) 小谷さんは前作より「あ、上手くなったなあ」と思いましたが 空々くん他学生役がむごい。若い俳優さん達と言えど演技がちょっと… あと全体的に服装が…一葉くんが特に可哀相です… コニーの成長分評価が前作より上にしたいですが 本編として公開するよりDVDのみの方が良かった気がします。
快描教室プラス(+) (Comickersテクニックブック)
中身は漫画形式ではない部分がほとんどで、
普段漫画しか読まないので眠くなってしまった。
全然漫画を描かない人にはあまり面白く感じないかもしれないです。
あと、サイズがでかくて読みにくいです。
アニメの設定資料集とかと同じサイズです。
EVE burst error "THE PERFECT"
作曲者である梅本竜氏によれば、幻のFM-TOWNS版を土台にPSG音源を加えたもの
(氏曰く「音源の構成的にはPC-9821版」)がこの"THE PERFECT"とのこと。
そんな制作方法のおかげで、聴いていてもリメイクものにありがちな違和感が一切無いどころか、
記憶の中で美化された部分がそのまま音として肉付けされているかのような気さえしてくる。
すごく懐かしくて、とても新鮮な感覚。YU-NOの86音源版BGMに感動した経験のある人には是非。
あと3つ折りのジャケットに梅本氏本人による解説が載っているのだが、これがまた興味深い。
当時のゲームミュージック制作者にも色々なタイプの人がいたのだと思い知らされる……。