“幸運”と“自分”をつなぐスピリチュアルセルフ・カウンセリング (王様文庫)
「スピリチュアルセルフ・カウンセリング」というタイトルにひかれて購入、期待した以上に満足する内容である。
「癒し」や「ヒーリング」という言葉が、良いこと、必要なこととして当たり前のようにに使われるようになった。しかし、本当の癒しとは自分を知ることから始まるのだと、本書を読むことで、改めて考えさせられる。
この本を手にしても魔法のように人生が変わることはない。自分を愛し、自分を理解し、人生を変えられるのは、自分の心ひとつなのだ。
本書と出会い、自分が自分のカウンセラーになれるのは、素晴らしい幸せなことである。
今まで、自分の人生を、迷子のようにさまよっていたのではないかと、愕然とするような気づきがあった。
スピリチュアルメッセージII―死することの真理
~~人間が最も恐れおののく観念、それは自身や愛する者を問わず「死」という生き物の宿命で在ります。それは突き詰めるところこの肉体の生命が尽きた時、無に帰してしまうという恐怖です。
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私のつたないスピリチュアリズムの探求から導き出される答えは、死後の世界の実在を信じざるを得ないという結論です。しかしながら一人の生き物として、死にたく~~は無いしあまつさえ悲惨な死に方だけはしたくありません。それが生身の人間というものです。いきおい死にまつわる物事を不浄として忌避し、最後の最後まで後回しにして「死」と向き合う事を避けようとします。
しかし霊的な視点からすれば「死」は新たなステージへのステップアップであり我々の本性がこの肉体や現実世界の物理法則やら社会経済の足枷から解~~放され、故郷に帰還する御目出度い出来事なのです。「あの世への旅立ち」という言葉は決して単なる比喩などでは無いのです。
悲しいのは遺された者達のみで、死の当事者は安らぎの中に在ると言われます。本来ならばお葬式はお祝いの儀式であるところでしょう。
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死後の世界に関して半信半疑である方は、このマーケットでも扱いがありますから是非「~~輪廻転生-驚くべき現代の神話」や立花隆氏の「臨死体験(上下)」「転生の秘密-超心理学が解明する」等、精神科学から「死」にアプローチした書籍を勧めします。きっと江原氏が語られている言葉に確信を得られる事でしょう。
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中世の修道院では修道士同士「メメントモリ」と挨拶を交わしたと言います。「死を覚えよ」-貴方も私も死するべき存在である事を~~ゆめゆめ忘れるなかれ-常に「死」を意識する事で生を精いっぱいに生きねばならないという戒めが込められています。
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末期ガンに侵された人々が限られた生を精いっぱい輝こうとした数々のエピソードが雄弁に物語る様に、「死」は我々にこの人生をどう生きるべきかの方程式を、厳格で恐ろしい教師の様に黒板に示しています。
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霊の発見 (角川文庫)
五木先生が関わっておられる対談なので、そんなにいかがわしい怪しいものにはならないだろうと思って手に取った。
目次を見ると結構怪しげな項目が多く、大丈夫かな、と思って読んだが、それほどではなくて安心した。鎌田先生のお名前は不勉強で初めて知ったのだが、大学の先生としてはやや異端と言えるのだろうか。波動がどうの…という話にはいささかついて行けない部分もあったのが正直なところだったが、サブカルチャー的視点から見ると面白い対談だった。そのあたりは愉しみながら気楽に読むのがいいかもしれない。
全体的には、まじめな仏教、神道の歴史について語り、それらと庶民との関わり、国家との関わりについて論じられている部分も多かった。
霊の発見
肩に力を入れずに楽に読める本でした。対談形式なので、興味のある部分から抜き読みしても通読してもいい内容で、五木寛之、鎌田東二の両氏とも、深い知識に裏打ちされており、自説に固執しない幅広い議論を文献・歴史的事実に基ずいて議論しいる点が好感が持てました。両氏の、“神道は宗教としての理論とか、思想としての体系をなしていない原始宗教で、経典がなく、厳密な意味での教義がない”との指摘は興味深いものがあります。私個人としては、こうした事実にもかかわらず、現在に至るまで神道が生き続けていることに、不思議なものを感じました。また、両氏とも神道はアニミズムであるとしながらも、大自然の大いなる力に帰依し、畏怖畏敬するものとして評価しています。この本では自然に魂が宿るといった霊性をポジテブにとっており、こういった神をオヤ(=親、祖、オヤガミ)とする思想は、アニミズム的ものをネガテブにとる立場(例えばフロイトの‘モーセと一神教’に書かれているような)と対照的であり、考えさせられました。その一方で、この本では、神道をその本質とは全く切り離して利用した、1)戦時中の日本軍部の国家神道や2)現在の政治家の靖国参拝に対しては、その矛盾を非難しており、バランスのとれた内容であると思います。