世界へ アメリカンフットボール(上級)入門
ライン戦のおもしろさはわかっているつもりでも、これまでは駒の動きとしてしか見ていなかった。自分ではプレイしたことがないのにずいぶん楽しませてもらっているスポーツで、個々のプレイヤーが何を考えて練習しているか(すべきか)を垣間見させてくれる。こんなストイックな世界にはもう戻れない(って、年齢と体格と資質の問題だろうが)。やっぱりビール片手に見るのがいちばん。でも、本書はそんな観戦にも深みを与えてくれる。
エコビレッジ・レシピ
エコロジカルな視点で、数学的物理学的化学的要素を含みつつ、ファンタジックに仕上げられてた、建築学科出身の先生によるオムニバス形式の本。読みやすいようにとさまざまなところで工夫が凝らされているので、時間のあるときにぱらぱらと開いて読んでみるだけでも十分に楽しむことが出来る。よく考えなくて分からない内容もあれば、ちょっと暖かい気持ちになれる内容まで、オムニバス形式の良さが良く出ている一冊。専門でない人にも薦められます☆
時を超えた建設の道
この本は作者の代表作である「パタンランゲージ」と同時進行で発展した本であり、「パタンランゲージ」の実践を解説する内容となっている。
著者はこの本のなかで、町づくりや建物づくりの根底にある基本的な特性について解説している。つまり、町づくりをおこなう住民たち全員が分かち合う共通のパタンランゲージ(共通言語)をもち、しかもその共通言語が生命を持たないかぎり、生き生きとした町や建物は生まれないと述べている。
シュリンキング・ニッポン―縮小する都市の未来戦略
今後、縮小していく都市に対してどのような問題が生じ、そしてどのように対応するべきであるかが、多彩な専門家によって語られている。対策は基本的に著者である大野先生のファイバー・シティが主軸となっているが、このファイバー・シティを理解していないと、各人の話は多少見えにくいかもしれない。全般的に、本として主張するような骨のある考えは大野先生のファイバー・シティ以外はなく、各人がそれぞれの専門の立場からいろいろと意見を述べたり、興味深そうな取り組み事例を紹介しているだけであり、それはそれで内容は面白いのだが、その多くはシンポジウムでの発表を編集したものということもあり、これは雑誌もしくはムックで出すべき内容であったと思われる。単行本で出すほど、その賞味期限は長いものではないだろう。
縮小問題はこれから長期的に、我々が取り組み考えなくてはいけない課題ではあるのだが、その点は妙にぼかされている。フィリップ・オスワルトの立ち位置もこの本だと見えにくい。ちょこっとだけ紹介するのであれば、むしろ除外した方がよかったのではないだろうか。シンポジウムであれば、このように整理されていない情報がどんどん出てくるのは歓迎である。自分で編集することができるからだ、しかし、単行本として出すのであればしっかりと出版社が編集を考えるべきであっただろう。というか、やはりこの内容は雑誌、ムックにすべきであったと思われる。内容自体は面白いだけに逆に残念である。
黒い都知事 石原慎太郎
石原慎太郎知事については、みなさんご存知のように、これまで新銀行東京の不始末、五輪招致の無駄遣い、築地市場移転をごり押するなどが報道され、どうなっているのかな?と考えたことがあると思います。この本はそうした疑問にストレートに応えてくれる内容をもった本です。私自身はもともと偉そうな知事の態度から好きではありませんでしたので、なぜ4選できたのか理解できなかったのですが、その理由がこの本を読んでよく分かりました。すでに手遅れの感はありますが、いまからでも遅くありません。東京をこのままメチャクチャにしないために東京都民なら是非一読をお薦めします。書店でなかったらアマゾンで注文しましょう。