Come On Die Young
トータスとか好きなら絶対にお薦めだから。と言われて聴いてから、トータスそっちのけでモグワイが好きになった。
そのきっかけになったアルバムだ。
ドラムってこんなにリアルなリズムを刻むことができたのか!ギターってこんなに美しい音色を出すことができるのか!
静かな美しいメロディーと共に大きな衝撃を受けた。
スタジオにこもり、追求する音の世界に没年して楽曲を生み出していったストイックな姿勢が見える気がして、胸が熱くなる。
「Cody」を聴いて、もっと彼等がつくる歌の入った曲を聴いてみたいと思った。
ハードコア・ウィル・ネヴァー・ダイ・バット・ユー・ウィル(初回生産限定盤)
mogwai待望の7thスタジオフルアルバム。アルバムタイトルが何とも印象的で、曲名も今までになくシニカルな感じを受ける(笑)Hardcoreという言葉とYoung Teamを手掛けたプロデューサーの起用から、発表前は結構荒々しい感じのアルバムを期待してたが、聞いてみると今までになく洗練された音に驚かされる。全体を通してバリーのキーボードが音の主体になっているし、かなりポップな曲調の曲も多い。Mexican Grand PrixのヴォーカルやSan pedroのリフ、George square thatcher death partyで聞けるベースラインなどでは従来のmogwaiらしからぬ面をかなり垣間見ることができる。しかし、Rano Panoにおける吹き荒ぶディストーションギターの嵐やHow to be a werewolfの開放・飛翔感、ラスト曲You're Lionel Richieの押し寄せる荘厳さなどとてもmogwaiらしいチューンもちゃんと収録されている。 総評すると、やっぱりmogwaiは良いなということ、初期の衝動性や緊張感はもう失ってしまったのかもしれないけど、変わらず聞いてて気持ちいい音を演奏し続けている。正直mogwaiに新しいことを期待することはもうない、彼らはこれからも安心のブランドであり続け高水準の音楽を僕らに提供し続けてくれるんだろう。Mogwai is my best favorite rock band.アル中にもシラフの奴にも僕はそう高らかに宣言できる。最後に、ボーナストラックの完成度が非常に高い。Slight Domesticは個人的に今アルバムベストトラック、20分越えのMusic for a forgotten futureも素晴らしい(残念ながらmy fatherとは全然違うタイプだけど)
Young Team
「真摯なギター・ミュージックの創作」
スチュアート・ブレイスウェイトによるこの言葉が、彼らの音楽を端的に言い表していると思います。本作はUKはグラスゴーにて結成されたモグワイが97年秋にリリースした衝撃と呼ぶに相応しいデビュー・アルバム、通称「富士銀行」(著作権問題により日本盤では消されている)97年のUKといえばブリット・ポップの狂騒も冷めやり、ムーブメントの中心にいたバンドが徐々に失速していった時期。イギリスとは不思議な国で、ポップミュージックの世界における爆発的ムーブメントが徐々に沈静化しようという時期に、シーンの中心とはまるでかけ離れた場所から、たびたびとんでもないアーティストが現れます。パンク後のジョイ・ディヴィジョン、サカンド・サマー・オブ・ラヴ後のマッシヴ・アタック・・・そしてブリット・ポップ後のモグワイ。彼らはみな、さながらシーンへのアンチ・テーゼの如く、冷ややかで鋭利なサウンドを携えていました。モグワイの音楽スタイルはインストを基調とするギター・ミュージック。(ほぼ歌がない代わりに、スピーチやテレビやラジオのアナウンス等のサンプリングを多用)ギター・リフを幾重にも重ねていき、ここぞというポイントで爆発的な(という言葉がぴったりな)轟音ノイズに振り切れていくというもの。彼らのライブではより顕著になりますが、モグワイの真骨頂は、超音圧のつんざくような轟音と、まるで教会音楽にも聞こえそうなほどの美しすぎるメロディとの相克。轟音の部分では、この二つの要素のどちらも損ねることなく、完璧なバランスで成り立たせています。このあたりの、一時期のシューゲイザー・バンドの多くに見られた特徴と、スティーヴ・アルビニのシェラックやスリントなどアメリカの実験的なハードコア・バンドのもつ、硬いリズムや、静と動の緊張感なども兼ね合わせた、まさにポストロックのオリジネイターにふさわしい、美しく、ダイナミックで、魂を揺さぶる音楽です。本作ラストを飾る「Mogwai Fear Satan」はライブでも定番の名曲なので必聴です。しかし最初から照準を合わせていたかのように、すでにこの時点でほぼ完成の域にまで達していたのは脅威ですね。2ndは轟音がやや後退し、音響にこだわった内容なので、より荒削りなラウド&サイケデリックなサウンドを求める方はこちらをどうぞ。