ギャラクシアン
御案内させていただきます。スラップベースがはねまくるファンキーチューンからスタート。これなどまさしくR&B。ジェフローバーが激しく黒人音楽に『傾斜して、かつdedicate』していた時期。サウンド的には『エレクトロディスコ』と言えばわかるはず。バンド内には黒人2名。そしてまだまだ若造の=ケニーGがスケール練習のような単調でへんなフルートソロを聞かせています。
バンマスのジェフはやはりインストオンリーの楽曲では(2)、現在のスムーズジャズのプロトタイプとでも言えそうなマテリアルを披露。今から24年前の録音ですのでさすがにシンセはアナログメイン。
80年代頭ですでにスムーズジャズ的なアプローチを開始していたのはすごいのだけれど、『楽曲のパターンがマンネリ化していた』こともこれまた事実。シンセで『跳ねるリズムを刻み、かつ本来ボーカリストが歌うラインをなぞる手法』も手あかがつきすぎで新鮮みが薄れていた時期=フュージョンが衰退してるという時期=。
特にどうのこうのはないのですが、『ディスコリズム』『ファンキーなシンセプレー』『マイルドでレイドバックしたサウンド』『ボーカルが入ったR&B』を許せる心の広いかたに合うかも。ずばりいえば『テレビの天気予報の番組のバックに流す』のに最適かも。自分の生活を乱さない安全な音楽が必要な人にも合うかもしれない。このアルバムだけで判断すればケニーGには残念ながら才能がないと思われ(テクはあるよ)。トータルでこれだという楽曲が散見できず残念。
(5点)
Jeff Lorber Fusion
現在では、Smooth Jazzの生みの親とも呼ばれる、Mr.Smooth Jazzの、1977年に発売された1stアルバム。そして、そのMr Smooth Jazzの1stアルバムのタイトルは、その名も、"The Jeff Lorber Fusion"。
タイトル、それだけでもFusionファン、Smooth Jazzファンは絶対買いなワケでして、内容についても名前負けしない、「どフュージョン」が展開されています(このアルバムの内容についてはそうとしか表現出来ないなー。なんたってアルバムタイトルが・・・)。
おまけに、アナログ盤ではジャケ違いで収録楽曲が違っていた("Poppin'"と、"River Winds"は互い違いで入っていた)わけですが今回は両方入ってます。ちょっと嬉しいかも。Wounded Bird Recordさん、ヤルじゃん。
何はともあれ、廃盤になって法外な値段で売買される前に手に入れるべきです(大体Inner Cityなんて一般人から見ればマイナーなレーベルの30年前の歌無しインストアナログ盤が再発されるなんて奇跡としか言いようがない)。関係者諸氏に感謝したいですナ。
グルーヴォロジィ
フックのきいたさわやかメロディーが光る。メシオパーカーとデビッドサンボーン、スタンリータレンタインのおいしいところをぎゅと凝縮して聞かせる。アレンジ、ソングライティング、演奏面においてオルブライトのピークなスタジオアルバム。ジェフローバーがプロデューサーで参加。10点中8点
ミッドナイト
バーブフォーキャストとは契約を打ち切り、ゼブラレーベルへ。初期の音に戻っている。アナログ楽器を中心に展開=ハモンド、ローズピアノ、クラビネット。一時は=80年代はテクノじみたことまで実験していたこの人物。ウオーターサインのころにもどったようだ。バジーフェイトンの参加がうれしい。自分のルーツにもどった感じ。
アタッキーでパーカッシブなジェフの鍵盤プレーが好きな人におすすめ
10点中8点 レトロフュージョン=時代はひとめぐり
ダウンライト・アップライト
女房役にヴィニー・カリウタ、曲毎に、ジェフ・ローバーとジョージ・デュークがピアノ、ボニー・ジェイムスとゲィリー・ミークがサックスというオーソドックスな構成。ブロムバーグは一貫してウッドベースを弾き倒しています。好きなのは、当アルバムの中でも一番グルーヴィな、"Shag Carpet"。"Jaco"の"Chicken"、前作"Choices"の"Bass Face"のような横ユレ系。シンセや打ち込みはほとんど無く、シンプルなプレイで、普通だったらドJazzな雰囲気を醸し出す所を、Fusion?と思わせてしまう微妙なアレンジセンス、プレイが詰まっています。また、'06年6月中旬に行ったブルー・ノート東京での公演は、ドラムにウェックル、ローバー、ゲィリー・ミーク、そしてtpにリック・ブラウンが加わるという布陣で、当アルバムの曲からChameleon、Cold Duck Time等の黒ファンクな曲を演奏。勿論、全員のソロ廻し付きなので、かなり楽しめました。嬉しかったのが、アンコールに"Chiken"やってくれた事かなぁ。また、CDで聞けるソロ部分では、両手を使ってウッドベースを叩いてました・・・ヴィジュアル的にもかなり楽しめる、ライヴを前提にしたアルバムです。お勧め。