すぐ、無名だった本人に電話して「君の芝居を原作に映画を作りたい。僕にさせてくれれば君も出す。他の奴にはさせたくないんだ」
その相手というのが、共演で出ているチャズ・パルミンテリである。彼にとって、これは、映画デビュー作となった。
実際、この二人は、知り合いだった訳ではないが、正真正銘のブロンクスで幼少期を過ごしている。
他の共演者も殆ど地元の素人ばかりをあつめているのも見もの。街そのものになじんで、映画自体の心地良い雰囲気を出すことに成功している。
デニーロはこれを自分の会社である「トライベッカ」で制作した。デニーロ本人が、「この映画は自分の人生そのもの」と言う力の入れようである。
主人公の父親として出てくるデニーロや、地元のボス役であるパルミンテリの、セリフのひと言一言が、デニーロの人生観が感じられるようで、ファンの胸にはきっと、染みるはず。