Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD)
傍からは仲良く見える友達や恋人とも心は通ってないし、
傍からは幸福そうに見えたり強そうに見えても心の中ではSOSを発していたり、
周りに人が溢れているのに、人と話しているのに、その距離はまったく狭まることなく隔たれていて、
なにかを待ってもただ時間だけが淡々と流れて、
それは幸福なことか不幸なことなのかよくわからないまんま、
けっきょく自分で立ち直って自分の足で踏ん張って、また明日が来て、っていう
なんか上手く言えないけどそういう切なさ。
誰にも言えなかったこと言わなかったことを静かに抉られて目の前に突き出されたような、そんな漫画。
彼女のこんだて帖
主人公(ある話では脇役の人物が、別の話で主人公になっているので、これも面白い!)が、その時々の思いを込めて、料理を作る。日々当たり前のように食事を摂っているけれど、食べることってただ栄養を摂取するという次元を越えた、何か大きな力を持っている。そのことに気付かせてくれる本です。何度読んでも、面白い。載っている料理を是非作りたくなります。それと同時に、その人にとって思い入れのある料理は、何か大切な思い出と密接につながっているのだなぁと実感しました。自分の好きな料理を考えてみると、やはり懐かしい思い出につながっていました。そして今度、お気に入りの料理を自分で作って食べたいなぁ、食事を大切にしようと思いました。
痛々しいラヴ (Feelコミックス)
書店になくて、でもめちゃ欲しかったので
アマゾンで買いました。
同感できるところが沢山あります。
読んで絶対損はないです。
お洒落ですし。
魚喃さんの作品で、これが一番好き。
私としてはかなりオススメ。
blue [DVD]
地方都市に暮らす多くの高校生たちにとって、自分の街の向こうに広がる世界はまだ憧れの領域でしかありません。その世界に対するひと握りの情報はあるかもしれませんが、まだ実際にこの手で触れたことはない世界といえます。「知識」はあるけれども「経験」のない世界と言い換えることも可能かもしれません。そうした向こうの世界にまだ足を踏み入れていない高校生は、スポーツや勉強にある程度の目標がなければ、ままならない人生に悩みながら、なんでもない時間を積み重ねていくことでしょう。
この映画の主人公二人も、湯上りの時間に新しい画集をなにげなく繰ってみたり、自分たちの背丈を比べてみるために背中をあわせていつまでもいつまでも初夏の陽だまりの中でほほえみ続けたりしています。<!P> こうした無為の時間の積み重ねが、実は人生のかけがえのない瞬間<とき>へと変わるのは、いつかその日々を振り返ることになる遠い将来のことでしょう。
社会人を続けていると、疲れた心と体を安らげる時間が必要になる。無為の時間というのは私のような社会人には明日からの活力を蓄えるために必須の時間といえるでしょう。しかしそんな理屈を持たずに無為の時間を過ごせるのは、人生の中では実に限られた、<あの頃>でしかない。そのことを感じさせてくれる物語です。
高校生二人の、人生の瞬間<とき>を無意識に刻んでいる姿がとてもまぶしく見えました。
ストロベリーショートケイクス [DVD]
岩井俊二監督の『リリィ・シュシュのすべて』では、日本の中学生が抱えるな悩みが赤裸々に描かれていたが、若い女の子も心の中ではやっぱり深刻な悩みを抱えていたのだ。フリーターの里子(池脇千鶴)とデリヘル嬢・秋代(中村優子)、OLのちひろ(中越典子)とイラストレーター・塔子(岩瀬塔子)の2組を通じて、都会で暮らす女の子の孤独や心の痛みが自分のようなオッサンにもひしひしと伝わってくる作品だ。
前半は月経のメタファーかとも思われる“月(神様)”や”恋人(男)”が現れて、都会の孤独から自分たちを救ってくれることをひたすら願う、ちょっと“甘ちゃんな”女の子たちが登場する。失恋や仕事上の挫折を通じて、ちょっぴり人生の“酸っぱさ”を味わった女の子たちが、「神様なんかいらない」と少しずつ人間的に成長していく様が後半に描かられる。甘いスポンジケーキの上に酸っぱいイチゴがのった『ストロベリーショートケイクス』は、まさに子供と大人の中間を漂っている劇中の女の子たちを形容するのにピッタリなタイトルだ。
作品にリアリティももたせるために不可欠な大胆な濡れ場以外にも、あまり意味のない場面でも女優たちにやたら服を脱がせすぎたせいか、R−15指定という憂き目にあった作品でもある。これが客寄せパンダ的な演出ではないことをせつに祈りたい。それと、ボリューム最大にしても聞き取りにくい、モゴモゴとしたしゃべり方は何とかならないものか。それが結構重要な言葉だったりするので始末に終えない。