バック・トゥ・ザ・フューチャー トリロジー・ボックスセット [DVD]
タイムマシンといえば「ドラえもん」か「デロリアン」かと思うほど、非常に鮮烈な印象を持ったシリーズです。
1の完成度の高さは言うまでもなく、2から3へと連続して展開していく秀逸さ、見る者をまったく飽きさせる事無く作られています。
まさに文句なく80年代最高の、映画のひとつである事は間違いありません。
このシリーズは1だけでも充分楽しめますが、やはり3作通して見てこそ輝きが無限大に増すと思います。
そういう意味でも、このトリロジーは3部作がセットになっているのでありがたいです。
また仕様も5.1ch+DTSと嬉しい限りですね。
それに特典である「三部作の秘密」は必見ですよ。
いさましいちびのトースター (ハヤカワ文庫SF)
電気製品の視点から描いた、ほのぼのした話。
別荘におきざりにされた電気製品が主人を探して旅をする。
電気製品は、人間の知らないところで動いているみたい。
電気製品なりに考えています。
人間にとても忠実な彼ら(彼女ら?)を大切にしようと、ふと思った。
挿絵のページだけでなく、本文上のスペースにも絵があって、
かなりかわいい。
かわいいもの好きの人には特におすすめ。
緋色の記憶 (文春文庫)
孤独な老人の回想から始まる話。
封建的な田舎町で鬱屈した少年時代を送るヘンリーが出会った美しい女教師。
斬新な授業で生徒を魅了し、父と旅した異国の話を聞かせヘンリーの自由への憧憬を煽った彼女が当事者となったチャタム校事件の顛末とはー
推理物だと思って読むと、いつ事件がおこるのか人が殺されるのかとそっちばかりに意識が集中してじれったい思いをする。だがこの本のテーマはそこにあらず。
郷愁と回想。
誰もが体験した年上の女性への淡い憧れ、少年時代の終焉。
厳格な校長を父にもち、メイドのサラに身分差に阻まれた恋心を抱くヘンリーの思春期特有の焦燥や鬱屈などが繊細で情緒的な文体により瑞々しく描写される。
不貞な女の烙印を押され排斥されたチャニングの芯の強さ、凛々しさ、終盤で明らかになる彼女が法廷で嘘を吐いた理由が素晴らしい。
少年時代に犯した罪によりその後一生罪の意識に囚われ続け、妻子も持たぬまま老境にさしかかった現在のヘンリーと、愚かでひたむきな少年時代の彼との落差が深く静かに胸を打つ。
人の心の深奥に分け入り、その複雑さの一端を紐解く本書もまた広義のミステリーだと思う。
No more(完全初回限定盤)(DVD付)
ソロ作品に限っていえば、いつも期待値を大きく上回る出来の良さを見せてくれる光一さん(今回は“米寿司”名義だけど)ですが、今回も特典DVDのPV&メイキング、REMIX含めて非常に良いと思います。PVで見せるダンスは、宮古島の美しい風景とともに目でその音楽を楽しませてくれるし(最後のオチも楽しい)、修業編と名付けられたメイキングはスタッフ達とともに物作りを楽しむ彼の姿がとても印象的。そして2パターンのREMIXは、どちらも非常にCOOL。普段REMIXをあまり聴かない私ですが、まんまとハマってます。一聴の価値あり、です。
Love Notes
「Promise -a cappella-」「永遠に」の幕開けに象徴されるように、ゴスペラーズの甘美さを凝縮した作品。“Love Notes”という主題通り、恋の酸いも甘いも噛み分ける物語たちが心に染み渡ってくる。
「NO MORE TEARS」「八月の鯨」は涼しさやドゥワップの技術が楽しめ、彼らの良さはセレナーデだけじゃないんだぞという見せ所。他方、「U’ll Be Mine」「AIR MAIL」は安岡のロマンチックな力が炸裂し、これぞゴスペラースのバラードという艶を見せる。
「t.4.2.」は酒井の作詞作曲、「渇き」は黒沢のそれとなっており、前者はゴス随一のクリアな声が活きた曲調、更にはことばでわざわざ描写説明せずとも、行間の雰囲気の妙が今作中最も光る一曲。一方後者、アコギの柔らかさが、日常に悲恋が入り込んだときの寂しさを見事に表している。隠れた名曲。
「I LOVE YOU, BABY」は“I LOVE YOU”ということばにはシンプルさの強みもありながら、画一的で使うのに勇気の要ることばだと思う。それを使った上は作家に相当の思い入れやこだわりがあったと思われる。曲調は非常にゆったりとしており、ことばを噛み締めるように5人は歌っている。そしてその余韻を保ちながら「あたらしい世界」のピアノ前奏に入ってゆく。詞は康珍化。結構単純なのに、彼らが歌うとことばを音が超えてゆく、或いは足りないものを補い、立体化してくれる。この曲の核心は彼らだからこそリアルに空間に描き出されたようだ。
「カーテンコール」のプロローグを経て“愛してる”という第一声と共に「ひとり」が吹いてくる。安岡と村上それぞれ別の作詞だが、前者が短くささやかな曲、後者が求心力を持った曲だけに、こう並ぶとまるで二つの詞は同じ物語として続いているようだ。作品はこれで一気に引き締まった。