立花隆先生、かなりヘンですよ―「教養のない東大生」からの挑戦状
理系の学生からは、「立花隆もけっこういい加減なことを言っている」というのは以前から噂になっていたらしい。
しかし、文系の学生である私も、立花隆氏に対して疑問をいだいていた。『脳を鍛える』などにおける、理系の知識を持たない文系の学生に対する罵倒、そして彼らに未来はないなどという言動は、何やら脅迫めいたものと感じられていたのである。
その後、理系の専門家から、立花隆の科学論に対する鋭い批判本が登場した。この本もその一つである。これらの立花隆批判書が出た後、立花氏自身からの弁明はなかったようだが、東大講義『脳を鍛える』の続編は出版が予告されたまま今にいたるまで出ていない。
この本(『ヘンですよ』)は、カール・セーガン『人はなぜエセ科学に騙されるのか』や!斎藤貴男『カルト資本主義』、と学会・編『トンデモ本の世界』に並ぶ、オカルティズム・ニューエイジ批判の書のひとつでもある。
谷田氏が提起している問題意識は、立花隆批判にとどまるものではなく、学問と知のあり方を考える上で、現代人が一度は触れておくべきものなのである。
だからといって、もちろん、谷田さん万歳になってしまってもいけないのであって、ひとりひとりが自分の頭で考え、自分の心で感じることが何よりも大切なのではなかろうか。
神崎恵の3分からはじめる大人のアイメイク
一重、二重、奥二重、という目のタイプ別に、メイクの方法が載っていて、とても参考になります。使っている化粧品も高額のものばかりではなく、プチプラなものもあって、試したい内容でした。実際、やってみましたが、なかなかいい感じです。もうちょっと、チークやリップなど、他のパーツのことも載せて、より内容の濃い本だともっと楽しめたかも・・・。
表裏井上ひさし協奏曲
井上ひさしの遺児となった三人の娘たちへ向けた母親の立場からの記録であって、偶像破壊を目的とした暴露本ではありません。別れた夫=父親の才能を認めながら自分の貢献も評価して娘たちの傷を深くしないように注意深く書かれています。とはいえ、多くの本を引用して書かれた桐原良光『井上ひさし伝』(白水社, 2001)がきれいごとに終始しており、よそゆきの印象なのに対し、本書が井上ひさしの「狂」的な部分や陰の領域、コンプレックスなどに焦点が当たっているのは否めません。それら陰の部分は石川麻矢『激突家族』(中央公論社、1998)などを併読してみても、真実だろうと思われます。「死は自他共に人生の浄化であってほしい」と好子さんは書いていますが、井上ひさしの姿勢を非難することで娘たちを(特に長女の都や次女の綾を)救おうとする本になっています。それと同時に、作家は偉人であるべきだなどとは思わない私には、井上ひさしの一面をよく表した本だと思います。ひさし本人が亡くなっているため、一方的な論難であるとしても。
不思議なことに、ひさしの傑作は好子夫人と激突していた頃に書かれています。好子夫人との離婚後に出来た傑作は『父と暮らせば』です。
越境者 松田優作
映画『SOUL RED 松田優作』は
松田美由紀さんが主導して製作したのに対し、
今作は最初の妻、松田美智子さんから見た松田優作さんの姿が描かれている。
もうそれだけで
これまでの松田優作像とは異なる
エッジのたった作品になるのは予期できるもの。
実際、在日であることに強烈なコンプレックスを抱えていたことや
数々の暴力事件の真相、元妻から見た夫の不倫の裏側、宗教のようなものに
頼ってしまうほど追い込まれていた死に際など、あのダンディでニヒルで男オーラが
全身から発散されまくっている俳優からは想像もできぬ、決して神ではない、一人の繊細な人間の男がそこにいました。
美由紀さんの
長男と次男が役者をしていますが、
果たして、父を超えることはできるのか。
長男の龍平さんに、その佇まいを感じさせられるのは、私だけでしょうか。
ひろみ―ガンと覚醒剤に冒された元組長のオンナ、その壮絶人生
最後の終わり方が最高に好きでした
自分が思っている最悪な状況とは全く違う世界でした。
読みやすいので是非手にとって見てみるべきだと思います。