新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには? (P-Vine BOOks)
JR新宿駅東口、左端の改札を出てすぐ左折&徒歩約10秒の場所に位置するビア&カフェ「ベルク」。本書はその経営者である別姓の夫婦が、互いに切り拓いてきた道を回想(ときには現在進行形の話も)するかたちで本文が進められてゆく。
「本当は飲食店なんてやりたくなかった」世間知らずの一人の若者(著者)が、親に頭を下げ、一念発起して一番下っ端から親の経営する喫茶店に入り現在の「ベルク」の土台を作ってゆく。そのとき著者は28歳。それから18年の歳月が過ぎ、「ベルク」は親の代の純喫茶から、1日平均1500人もの利用客でにぎわうビア&カフェへと成長した。ベルクを応援するブログでは、今は遠い土地へ越してしまったかつての客からも「頑張れ!」とメッセ―ジが届く。ベルクはそんなお店だ。
…と、このように書くと「そんな一等地でやれば成功するに決まっている」「親のすねかじりかよ」と思われる方も、なかにはいるかもしれない。だが、新宿という街は、立地だけで商売が成り立つほど甘い土地ではない。そして実際にベルクに一度でも足を運んでみれば、ベルクが支持される理由が分かるだろう。お世辞にも広いとは言えない店内、混雑時には客の半分は立っている(カウンター席)。それでもレジ前には行列が絶えず、なのに店内には殺伐とした雰囲気など微塵もない。店内では男も女も、グループも独りも、何ひとつ気がねすることなく自分の時間を満喫している。それを支えているのは、化学調味料とは無縁の吟味された食材と、これまた美味くて安いビールをはじめとする飲み物類だ。もちろんコーヒーも断トツに美味い。いまどき、210円(!)でブラックで飲んで「甘味」のニュアンスを感じさせてくれるコーヒーが、果たして全国に何軒あるだろうか。自慢のホットドックやハム類は、はじめて口にした人は「何か物足りない」と感じるかもしれないが、物足りないまま、すぐに「お代わり」がしたくなっているハズ。そこがミソである。
ベルクのもうひとつの顔は「壁」だ。森山大道など、写真家を目差す者なら目からウロコの写真家や作家たちによる作品がさり気なく展示されている。毎日山盛り人が訪れ、店側からも日々何かが発信され、空気が澱むことがない。まさに新宿を代表するカフェと言っていい。
ベルクがなぜ「ベルク」に成り得たのか?その答えが本書にはある。詳しくはぜひ購入して読んでいただきたいが、そこで示されているのは、意外なほどの正攻法である。自分に何もなければ、ある人(職人)を探し出す、しかし任せっきりにはしない、常に対等でいられるよう自分たちも切磋琢磨する。美味くて安いものをお客に出すための苦労は厭わない。主人公はお客である…そんな当たり前の、しかし実践するのはたやすくないことが著者と協同経営者(夫婦)の肉声で語られている。
ベルクは現在、駅ビルオーナーのルミネから無理矢理「出ていけ」と圧力をかけられている。圧倒的な大企業の力を前に著者は、自らの存在価値を店舗存続の署名というかたちで客に問うた。その答えは、すぐに1万人もの無名の応援というかたちで返ってきた。普段は黙ってベルクに通っていた著名人も躊躇せず声を挙げた。新宿、秋葉原の書店ではベルクを応援したい書店さんがフェアを行ない、それは大きなうねりとなって今も続いている。
1日平均1500人×18年の実績を誇るカフェの活きた哲学が、まさにここにある。
ダンス・ダンス・フィリピン
フィリピンと日本の国交が正常化して50周年を迎えたことを受け、“日比国交正常化50周年記念盤”としてフィリピン音楽を満載したコンピレーション・アルバム。フィリピンでは、現大統領の名を知らずともこの曲を知らぬ者はいないというほどの大ヒット曲「今夜はオチョオチョ(原題 Otso Otso)」をはじめ、「ガソリーナ」のタガログ語カヴァーや、タガログ・ラップ「ジャボンガ」など、底抜けに楽しい曲が揃っている。 ちなみに「今夜はオチョオチョ」は、歌詞に深い意味はないがノリのイイ数え歌風の歌詞がフィリピンではミリオンセールスを達成した。火付け役となったのは、人気コメディアンのバヤニ・アグバヤニで、自身が司会を務める昼の高視聴バラエティTV番組『MTB』で唄ったところ、瞬く間にフィリピン全土で超ド級のヒット。“オチョオチョ・ダンス”も国民に浸透し、老いも若きも身体を動かす姿が街中に溢れた。
チョコレート・スターフィッシュ・アンド・ザ・ホット・ドッグ・フレイヴァード・ウォーター
まぢですごい。
つげ義春が描いたような感じのジャケットがすごい。
ジャケット内の歌詞が見づら過ぎてすごい。
誰がだれだかみんな同じような顔つきですごい。
ヘビーなサウンドがすごい。
イントロにうる星やつら(懐)に出てきそうな効果音がすごい。
だからノリやすくてすごい。
セイ・ホワット・ユー・ミーン(紙)
長いことロック聴いてると「嘘!?すげぇ良い!!」という作品に出会う。スタックスレーベルだが子会社発で、全然黒く無い・・・アメリカンなロックが全編に渡って愛聴できます。ブラックオークアーカンソー?トミーアルドリッチ?いや、今回は関係なさそうだ。drのデッド感がもの凄く良い作品でカーステでもどうぞ・・・失敗した枚数ハヤ4桁の私が名盤に認定します。因みに、パワーポップルーツ的な扱いですが、これをアメリカンロックと云わずに何と云うのか、私には言葉が見付かりません。73年前後のロック好きな方はお早めに。一応、限定だそうです。イニシャルが無くなる前に急げ!!解説じゃねぇ・・・申し訳ない
インフェルノ [DVD]
アルジェント・ファンにとっては、待ちに待った作品のDVD化。
作品の内容は賛否両論だが、「サスペリア」の魔女3部作(「サスペリア Part2」は関係なし)として観れば、ここでのDVD化は最終作公開前でもあり意味のあるものである。
公開やTV放映時から見直すと、ローマで登場する美女が≪三母神≫の一人であることや、作品のテーストが「ヘンゼルとグレーテル」に通ずる(NYのお菓子の甘ったるい香りなど)ことなど奥深く、後から評価された作品なのではないかと思う。
画像も美しく、特典は少ないがコレクションとして購入した。最終章の映画公開が心待ちだ。