オール・アバウト・マイ・マザー [DVD]
私は映画が大好きでよく見ます。
この映画は女の子に見てもらいたい映画です。以前、レンタルでこのビデオを見たのですが、借りていた1週間ほぼ毎日見ていました。特にすごくインパクトのある映画ではないのですが、「間」といい、人間の描写がすばらしいと思いました。
登場するすべての人間が魅力的に映し出されています。おかまちゃんまで素晴らしく描かれています。
私はこの映画が大好きです。
オール・アバウト・マイ・マザー【字幕版】 [VHS]
今までハリウッドと香港の映画しかほとんど見ていない私にとって、この作品は衝撃的な出会いでした。
今まで耳にしたことのないスペイン語。最初は戸惑ったもののすぐになれました。
とても個性豊かな出演人たちに笑わされ、泣かされ、考えさせられました。人間って色々だから良くて、色々だから問題が起きる。
深く考えれば考えるほど難しいことですが、カラフルな映像と音楽ともにこの映画はそんな疑問を投げかけていると思います。
オール・アバウト・マイ・マザー [DVD]
結論から言うと、とてもおもしろかった。アルモドバルさん、あなたは素敵だ。
女性が主人公で、けっこう男より逞しく感じるというのは、アクションなどではありがちだが、これは女性でしかあらわせない逞しさではないかと思う。
しかも、程度の悪いアクションなどよりはるかに展開がスリリング。その映像の密度ありつつも軽妙なセンスとで、ワクワクさせる進行だから、扱われている「命」のテーマについて完全に煮詰めて理解されなくても充分楽しめるだろう。
子供に対する愛情、と言葉にすれば陳腐だが、それはこの映画では男どもが想像し得ないくらいに深く、それは支配ではなく受容である、という真理に到達している。
いわゆる、差別用語かもしれないと心配するのがばかばかしいが、「おかま」さんの深淵を垣間見せてもらえたような、これは同胞人間に対する「親愛」の薫り満ちて、気持ちのよい鑑賞だった。その役者さんがまた素晴らしいから説得力がある。
ああ、かれらは「よろこばせたい、よろこんでほしい」のだと。
世界は戦争や暴力の場面では「おとこ」ばかりが圧倒的に支配的だ。
なんとなくも、おすぎが、「おとこ」「おんな」と発音するのかのごとくが腑に落ちた気がする。
アルモドバルは、「生きることは、悲しみと喜び、そして受け入れてこその親愛により、こんなにもうつくしくなる」と男達に教えたいかのようだ。
オール・アバウト・アルモドバル BOX [DVD]
映画の中にはいくつもの忘れがたい素敵な場面がある。マヌエラ、アグラード、ローサがマヌエラの慎ましやかなアパートで過ごす場面などは、アメリカの映画とはまったく違う色彩が溢れている。かれらの衣装やアパートの壁紙、ドアの色やカーテン、家具や食器とその色彩とデザインについ目が行ってしまうのだ。コンピュータグラフィックのデジタルデータではない色と形がそこにはある。それは先の「ショコラ」「アメリ」にもつながる感覚だ。それらは単なる風景ではない、映画の持つ意志を色彩やデザインとしてこちら側へ伝えてくるのだ。それらはなんともいえないくつろいを観るものに与え、気がつけば自分もマヌエラらと共にアパートで心を開いているそんな気持ちにさせるのである。そこにはスペイン流の生活を営み楽しむ文化を感じる。「効率優先」や「経済効果」中心の経済システムとは違う考え方である。金よりも大事なものがあるのだ。自分と友人、自分と家族、自分と社会、日々の生活を通じて自分との関係性をゆっくりと問い直し、豊かな共同体こそが人をしあわせにするとわたしたちに教えてくれている。