ストライプブルー 11 (少年チャンピオン・コミックス)
最終巻は西東京大会決勝・真直戦をまるまる収録。海と都並の勝負は最高に熱いのだが、どうもその後がいただけない。初っ端の大勝負に負ける→負けの運命は 1回の表で決まった→そのことを踏まえ、運命を眺めるつもりでプレイするという“奮起を促さない逆療法”。これを敵方の真直高校は実践する。その思考自体は確かに面白いのだが、結局その運命に抗うことはできず、反撃の一つもできないまま敗北してしまう。一回戦・二回戦の相手ならともかく、決勝の相手がこの体たらくはいかがなものか。練習試合での因縁もある繁森と順番を入れ替えた方が良かったんじゃないかと思ってしまう。
海に焦点を絞った結果、主人公であるあるはずのアー坊がわきに追いやられてしまうところといい、終盤は色々と問題点がある。打ち切りのせいでこういういびつな終わり方になってしまったのか、円満だけど作者(この場合、ストーリー担当)の興味がアー坊から離れてしまったためにこうなったのか。準決勝の繁森戦は素晴らしかったし、決勝も海と都並の勝負に絞って言えば屈指の出来だけに悔やまれる。
ちなみに、アー坊の恋愛関連がはっきりしないまま終わるのは、序盤ののりっぺの嘘をうやむやにされた時点で期待していなかったのでそんなに気にならなかった。ただ、おまけ漫画でも出番少ない自称・ヒロインとネタにされていたのりっぺには泣けた。