六番目の小夜子 第3章 [DVD]
原作を先に読んでいましたが、十分楽しめました。原作とは異なるストーリーでしたが、物語の後半に次々と謎が明らかになっていくところは圧巻で、第一級の学園ミステリーと言えると思います。また青春ドラマとしても大傑作の部類です。配役や演技も素晴らしかったです。
図書室の海 (新潮文庫)
短編が長編の一部になる手法は、村上春樹さんが得意としているところ。
この作品で恩田さんは過去にさかのぼったり、後日談を描いていたりしています。ぞくっとする切れ味の作品と、ほわっとする作品が同居しています。自分にとって恩田さんの長編は苦手です。短編の切れ味に偏愛しています。
六番目の小夜子 (新潮文庫)
この本は、ひとつの学校論である。
学校の内部にいる人は、学校のパワーで無意識に動かされ、生徒役や教師役を演じている。塾講師のバイトをやっていたとき「先生は演じるものだ」というアドバイスをもらったことがある。生徒の前に立って演説をする。恥ずかしいし、教室の外から見ると自分の姿はかなり滑稽だと思う。そういった意識を除去するため、あえて演じるのだ。先生の前に座っている大勢の人間も、ほとんどの場合無意識に生徒役を演じている。あの不気味な箱の中で呼吸するには、そういった方法をとるのが最適なのだろう。
学校の不気味さ。学校にいるあいだも学校を出てからもそれほど意識はしない。恩田陸は、そこをうまく取り出している。単なるホラーだとか、サスペンスだとかで終わらせてはもったいないや。
mania coba(3)
cobaのアルバムのなかで一番バラエティーにとんだ選曲です。何回きいても飽きないし、またcobaのすごさが分かるベストCDです。私としては、やっぱりお勧めは「霖雨 - リンユイ -」 チェン・ミンの二胡との絡み具合が最高です。
六番目の小夜子 第一集 [DVD]
この作品は傑作だ。場所が中学校。三年ごとに、「サヨコ」というゲームがこの学校でおこる。すでに5回、実に15年間。今回は6回目。誰かが、「サヨコ」を指名する。鍵とルールの解説書と台本がおくられてくる。一体誰がこんなゲームを始めたのか。
教師だった。教師は、自分を問い直し、新しいスタート台にたつ子どもをみつけ、おくり続けてきたのである。無茶苦茶な非公認の教育である。この6回の「サヨコ」ゲームは、新しい変化を「サヨコ」に指名された者に与えた。しかし、「サヨコ」のルールが次第にわかるにつれて、「サヨコ」は、学校という子ども収容所の中で奇怪な動きを自動的に引き起こした。「変わりたい」と願う子どもたちは競い合って「サヨコ」になろうとした。自称「サヨコ」の登場である。この作品の、良さは、中学生の生き生きとした映像が詰まっていること。魅力ある子どもたちが登場し自分自身が中学生に戻れそうになることである。しかし、ぼくは、彼等より、ませていたと思う。孤独な反逆者であった。オカルト的雰囲気をダブらせているこの作品は現実離れしているが出来はよい。