箜篌KUGOまぼろしの和のハープ
西洋のハープと思ってきいているとダメで、日本の琴をイメージして聴いてもらえると、いいと思います。
もう少し響くかと思っていたのですが、古代的な感じで荒削りのようであり繊細です。
もう少しCDが長かったらよかったのにと思いました。半時間以内に終わるのでもっと曲がほしかったです。
演奏はすばらしいので、お気に入りの曲が見つかればとてもいいと思います。
私にはなかなかお気に入りの曲が見つからなかったので「星空のプロムナード」のほうが私は好きです。
「星空のプロムナード」はよくかけています。
正倉院の世界 (別冊太陽 日本のこころ)
毎年秋に開催される奈良国立博物館での正倉院展を楽しみにしていますが、混雑するのと御物の一部しか展示されないこともありますので、本書のように正倉院御物の名品を200点ほど掲載してあるムックは貴重で時折眺めています。
冒頭に正倉院事務所長の北啓太氏による「至高の伝世品 正倉院宝物」という宝物の由来について書かれています。それを読むと現在にこれらが焼けずに残ったのは先人たちの努力は勿論のこと、ある種の奇跡のように受け止めました。
楽器関係は26頁以下に見事な御物を掲載しています。表紙にも使用され、30ページにある「螺鈿紫檀五絃琵琶」の細工の美しさは格別でしょう。とても1200年以上を経過したとは思えない保存状況が伝わってきます。正倉院宝物の中でも特に人気のある品だと思われます。
36ページの「新羅琴」という琴も美しい保存状態で残っており、伽耶琴とも呼ばれているそうです。現在でも中国の琴は古筝といって日本の琴とは発達過程が違います。中村力也氏の解説にも簡単に触れられており、ルーツを見るようでした。
106ページには「紫檀金鈿柄香炉」が掲載してありました。僧侶がお焼香をする際の仏具です。外面の象嵌が鮮やかで、この美しいフォルムは時代を超えて観る者を魅了します。水晶や象嵌の繊細な細工が施されている柄も美的感覚に優れており、端には可愛らしい金の獅子が印象的に飾られています。
「玳瑁螺鈿八角箱」や「平螺鈿背円鏡」を始め、その装飾の美しさに見とれる宝物をこれだけ掲載してあるムックも少ないと思います。時代を超えてその美の素晴らしさを次世代に残さないといけない宝物群を知るためには格好の出版物といえるでしょう。
正倉院美術館 ザ・ベストコレクション
今から30年近く前の高校3年生の時に
東京国立博物館『正倉院展』で初公開された
「螺鈿紫檀五弦琵琶」を観るためだけに2時間並んだ。
その後、この至宝はまったく公開されていないから
この時に現物を生で観ておいて
ホントに良かったと思う。
その時の感動を思い出させてくれる1冊。
まさに「天平の奇跡」である。
生きた正倉院 雅楽 [DVD]
日本人の文化とは何だろう、日本人の感性の源流とは・・・私を見つめた疑問がこのDVDで少し分かった気分です。
遠い時間に培われた日本の文化は大陸から渡来した文化と日本古来の文化が融合したもので私のルーツを知った思いです。雅楽のルーツを求め、シルクローロから敦煌、西安にまで遡り、雅楽の歴史変遷を集大成した本邦初作品ですね。
芝 祐靖氏の正倉院の復元楽器演奏と理論に圧倒されました。横須賀令子氏の墨絵アニメが何と素敵に仕上がっています。正倉院の楽面や宮内庁所蔵の管絃抄、四天王寺の聖霊会、春日若宮おん祭、伊勢神宮の悠久の舞台、五絃琵琶の調べなど古代の心が聞こえる豪華企画です。
カラーでわかるガイドブック 知ってる? 正倉院: 今なおかがやく宝物たち
多数の写真とイラストで「正倉院」について概説してあります。古代の日本史には詳しくないんだけど…でも大丈夫!当時の世相から東大寺建立の経緯、正倉院の由来まで、年表も含めて分かり易く説明されています。大仏の開眼会で催された(和辻の『古寺巡礼』にも必須な)「伎楽(面)」についても、コミック風(絵巻風?)に一連の解説がされていて、どんなモノだったのかイメージが掴み易くなっています。また現在に至る正倉院の歴史(有名な、織田信長が削り取った香木はコレ!といった話もアリ。)や、漫画家・里中満智子さん、作家・宮尾登美子さんの寄稿もあって、やはり奥が深いなぁ〜、と更に興味が湧きそうです。紙面はすっきり&カラフルで、大人は勿論、子供でもパラパラと親しめる感じです。毎年開催の正倉院展へ行く前に、またちょっと興味はあるけど敷居が高そう……という方に。