6UNDER GROUND (JUNEコミックス ピアスシリーズ)
シリアス長編。続いています。
養護施設を飛び出して以来 シビアな環境の中でも明るさを失わず、したたかに生きてきた景吾。今は薬の運び屋をしながら、チーマーのボスであるハイジのもとに身を寄せている。飼われているようなこの状態が景吾にとっていやなわけではないけれど、クラブのオーナー・鏡 恭一郎との出会いから、すべてのバランスが微妙に変化していく…。
新宿歌舞伎町の裏社会が舞台なだけにハードで淫靡な雰囲気。それに景吾にいつもつきまとう「行くところがない(=居場所がない)」という不安や淋しさが色濃く流れています。
エロもハード。相変わらず美しい絵でヒドイ事を。言葉責めとかリンチによるフィストとか、ですね。
この第1巻は6人の登場人物が揃って、話が色々動き出した所まで。ハイジにも謎が多いし続きがとても気になります。景吾は『恥辱…』の愛ちゃんタイプでとにかくかわいい。
景吾はどこに行くのかな。愛はどこにあるのかな。期待しています。
恥辱の楽園 (JUNEコミックス ピアスシリーズ)
転校生の愛がとっても可愛いです。まるで子犬のようになついてくる様子が見ていてほのぼのします。
話が後半になるにつれて段々シリアスな雰囲気になっていきますが、愛のほのぼのしたモノはなくならずとても読みやすかったです。
ブカツ道 [DVD]
映画「渋谷区円山町」で、少女同士の関係を繊細に肯定した永田琴さん脚本・監督の
「お茶の薫り」が収録されています。本編とは役柄も設定も独立した素晴らしい短編映画です。
本編では主将を演じた高木古都さんが、柔にして凛とした茶道部の先輩を、
北乃さんがそこへ入部する後輩を演じています。
まず映画の品格をたたえた映像が素晴らしいですね。
学生の頃に感じていた空気感、校舎の窓から差し込んだ光の匂い、皮膚の熱。
そんな身体感覚が呼び覚まされました。物語や設定に還元しえない質感が描かれています。
茶道の型が少女の身体と心を律し、瑞々しい兆しに充ちた静寂が美しい。
憧れの人と同じ視線で世界を見たい気持ちも、男子生徒の好意を利用する残酷さも
慕う女性の薫りと思い出に包まれた領域を穢される事への激高も、みな胸に迫りました。
物語の定型をなぞるのではなく、女性である永田監督の身体を通したまなざしが感じられ
そのような作り手にとって、「薫り」という言葉や映像に変換出来ない要素をテーマとする事は
自然な事だったのかも知れません。
二人の抱擁シーンは、まさにそのようなまなざしが生んだ素晴らしい表現です。
女性が女性に官能を感じるのは、ただ女性が魅力的な存在だからであり
そこに濃淡にすぎない性的指向を語る必要もなく、美しいものに魅了され、触れ合いたい。
そんな自然な心のありようを感じました。
少女の大切な思い出に立ち会えたかのような
濃密にして透明な官能に充ちた素晴らしい19分間です。