ベスト・オブ・アディエマス
このCDで初めてアディエマスを知りました。
アディエマスを知らない人でも、おそらくNHKの番組やCMなどで使用された曲を耳にしたことがあると思います。(「涙の歌」はオーラの泉でも使われています・・・たしか)
聖歌を思わせる荘厳なメロディと伸びやかな歌声は、大自然の雄大な景色にとてもよく合っています。
造語による言葉の響きは美しく、不思議と耳に心地よいものでした。
ベスト盤ということでたくさん曲が入っているのはいいのですが、実際はかなり長い曲も短めに編集されているようなので、曲をひとつひとつ堪能するためにオリジナルのアルバムも購入しようと思いました。
初めてアディエマスを聴こうという人にはこのベスト盤がおすすめだと思います。
あの日教室で歌った 思い出の合唱曲
「巣立ちの歌」は評者の高校卒業式で歌った記憶があるが、久し振りに聴き、師友との交流など往事を思い出し不覚にも涙した。今もよく歌われているのでしょうか。この一曲を聴くだけでも買って良かったと思いました。
愛は死を超えて―亡き妻との魂の交流
伴侶の癌死 というと、暗くなる書物が多いのですが、これは、今回は、幸せ感に満ちた書物です。
どうしても、死に至るような 癌に直面すると、最初の反応は、癌への抵抗であり、戦闘の姿勢です。
その後に、事実を受け入れ、諦観と受容という過程を経て、霊性や魂の成長と再生にいたって、癌を癒すことができます。
この著者は、死後の世界を描くことによって、悲嘆から克服した記録とも読めます。
著者は、対独レヂスタンス運動時からのドゴールの側近にして、スフランス・マスコミ界の有力者である。いわゆる、フランスでの上流階級に属する人というわけです。その経歴,で、こうした書物にともなう胡散臭さを軽減させています。
著書は、癌で亡くなった妻と 遺された夫が、幽界を隔てても、言語的な会話を行っているという記録です。したがって、この書物は、夫婦の共著なのです。
そこまでいかなくとも、亡くなった伴侶と会話をしている人は、多いのではないでしょうか。
伴侶を亡くした男性の著書では、亡くなった伴侶と会話していることを記載していることは多いようです。日本人だと、仏壇に話しかけると云う人が多いですが、仏壇の無いフランスでは、時と場所を選ばずというわけでしょうか。
亡くなった伴侶が現れるときは、著者である夫には見えないのですが、飼い猫である黒猫には、見えていると主張しています。この著者も、無類の猫好きだと分かって、笑ってしまいました。
藤山一郎全曲集
藤山一郎さんと言う歌手は、昭和の時代と共に歩んでこられた、言わば、戦前、戦中、戦後の激動の昭和と言う時代の歌唱力抜群の日本の歌謡界を代表する歌手である。(私みたいに若い世代でも、藤山さんの歌の良さはよく判ります。)
藤山さんと言うと、アコーディオンを演奏しながら歌う姿もとてもカッコ良い方で、藤山独特の歌唱法で歌う個性派実力歌手で、昭和の初めに電気吹き込み式の新しい録音技術がアメリカから伝えられ、日本でもレコーディングに用いられた。それは、クルーナー歌唱法と言い、マイクに近づき、バイブレイションなしで囁きながら歌う方法ですが、それでは、マイクのノイズも声と一緒に録音されてしまうので、藤山さんは、意識的に一言一言、明瞭に区切って歌う事を心がけておられたのが、後に言われている「楷書で歌う歌手」と言われたのも、その所以があるからである。(藤山さんは、日常の会話でも、一言一言区切って、丁寧に喋っておられたらしいですが、日常会話みたいに分かり易く作曲られた曲が、聴く人にとっても一番聴き易いので、その様な歌を好んで歌うのだと、それが藤山さんの持論である。とても視聴者思いの方である。)
この様に考えていくと藤山さんは、「影を慕いて」「長崎の鐘」「青い山脈」「酒は涙か溜息か」「懐かしのボレロ」「東京ラプソディ」などの代表曲と共に、昭和と言う時代の日本人の心の歌を上手く歌ってこられたし、昭和歌謡史そのものが、藤山一郎という偉大な歌手である。