ポゼッション [DVD]
そんなに死人も出ませんし、グロイところも無いですけれど。
スウェーデン語が心地いいし、古き良き時代のホラーを思い出させて、
見終わった後何かこう漠然とした、物悲しさが漂うのが好きです。
POSSESSION
東京バレエ団のプリンシプル、首藤康之の写真集。首藤康之は、ベジャールに認められてボレロを踊ったり、超話題作・AMPの「白鳥の湖」でThe SWANを踊るなど、日本のみならず世界的に活躍しているバレエダンサー。そんな彼の、鍛え抜かれた20代の若々しい肢体が拝めます。陰のある官能的なハンサムなのもいいですネ。全ページモノクロ。
バレエを習っている女性ばかりでこの写真集を見た時はすっごく盛り上がりました。最初は悩ましげなページにドキドキだったのですが、段々「すごい○○筋!!ここまで鍛えているのは見たこと無い!!」とか「足の甲がすごい発達している」とかバレエを習っている人ならではの視点で観察してしまって、また異様に感激しました。
バレエファンじゃなくても必見☆素敵です。
ポゼッション [DVD]
評判通りの恐ろしく異様な作品。意味を理解しようとする人には「難解」という形容詞も付くのでしょうが、これは心理のイメージ化という解釈が正しいのではないかと思います。
仲の良かった夫婦が、夫(ジェラシック・パークのサム・ニール)の長い間の仕事での留守から帰ってみると妻(イザベル・アジャーニ)の様子がおかしい。どうやら妻に愛人ができたらしい。
妻は悪びれた様子もないばかりかヒステリー状態になってもはや手がつけられない様子。夫も完全にキレて妻の愛人の男の家に殴りこみにいくと、一見自分より背も低いし年食ってるようにみえるオカマっぽいおっさんが実は格闘技やってて逆に一瞬にやられてしまう。
でもこの辺からだんだん話に手がつけられなくなってくる。アジャーニの狂人ぶりは、ただのヒステリーを超越してエクソシストみたくなってくる。そして遂に登場!タコの悪魔!!!作品の最後には変態エロアニメのようなシーンもあり、これを目当てに当時映画を見に行った人も多かったはず。
この作品は1981年の製作で、ベルリンの壁崩壊(1989年)の前。監督はポーランド人で戦争の影をひきずっているのは最後のシーンで爆撃機の音がしているのから明らか。そういう暗い時代で実際自分が離婚をしているのでその体験を映像化したというのがどうやら作品の解釈らしい。
女の人は感情の波が自分で制御できなくなることがあるというが、ここまでくるのはかなり異常事態。アジャーニの様子を見ていて島尾 敏雄の作品「死の棘」を思い出した。夫の浮気のせいで妻が狂人となり家庭で暴れて手がつけなくなるのをひたすら夫が介抱したという実話。「死の棘」でも最後はキリスト教から救いを求めたのだけれど、このポゼッションでも神対悪魔の構図が描かれる。こういうことって実際時々おこっているのかもしれない。
というわけで見る前に覚悟がいる映画だけれど、イザベル・アジャーニはものすごく美しい。しみひとつない美しい白い肌に宝石のような瞳。どんだけ狂っても決して手放したくない女。
でも、この映画にでてくる登場人物、誰ひとりとして自分の部屋には入れたくない!(笑)
ポゼッション【字幕版】 [VHS]
1980年・西ドイツ/フランス合作作品である本作は、ホラーで片づけるには重すぎる狂気の映画です。イザベル・アジャーニ主演1983年作「殺意の夏」でその演技の円熟が観られるが、本作で描かれる「女の狂気」は、ありがちなステレオタイプの演技などでは無く、生理的な凄みがある。アジャーニという女優はこんな美貌でありながら、なんという演技力を備えているのだろう。単なる華だけの映画スターではないのであり、天が二物を与えた稀有の存在であります。ミルクをぶちまけての狂態、まるで「おこり」を起こした様な演技、何かに取り憑かれた様なふるまいは観る者を圧倒する。これこそ「映画のマジック」というものだろう。毒気にあてられてしまう様な狂気は、美貌とのギャップがなおさら無気味でありまする。SFXのハッタリなどに頼らず、演技だけで怖いホラーなんて、他にあるだろうか。私の知る限り、今は絶版で観る事がかなわないが、若かりし頃のアンソニー・ホプキンス主演「マジック」と、本作くらいのものではないだろうか。