ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた (知的生きかた文庫)
この手の本はもともと毛嫌いするたちなのですが、
パートナーに薦められ仕方なく
「読んだ」という事実を作るためだけに読み始めました。
どうせその場しのぎの偽善的なメッセージで満ちているんだろ、
と思っていました。
が、全然違いました。
「どうして男は女の話を聞かないのか」
「男が不機嫌そうに黙り込んでいる時なぜ女は話しかけてはいけないのか」
「女がやたらと男の世話を焼きたがり、それを男が嫌うのはなぜか」
「どうして女は自分ばかりが損な役回りをしていると感じるのか」
こういった男女問題に非常に明快な解説を加え、
誰でも即実践可能な具体的アドバイスも丁寧に書かれていて、
実際に試してみたらあっけないほどスムーズに問題が解決したのには驚きでした。
他にも
「男が女に対して心がけるべき100ヶ条」や
「非協力的な旦那にすすんで家事の手伝いをさせる裏技」(笑)
なんかも具体的かつ実践的でためになります。
誰もが当てはまる訳ではもちろんないでしょうけれど、
これほど「読むだけですぐ役立つ」本も他にないと思います。
とにかく読んで損はないです。
火星計画DVD THE PROJECT MARS 2+3
こういう都市開発ものは始めてだったのだがとても楽しめた。
ゲームそのものは結構古く、今の最新ゲームとは較べるべくもないのだが、逆に少し古いノートPCでも動く。見方によっては非常に味があるグラフィックがあるとも言えると思う。
ゲームを構成する要素はとても複雑だが、まぁ・・・それはこういうジャンルの特徴なのかもね・・・。でもそれらの要素はキチンとまとめられており決して判りにくくはない。
また都市開発ゲームには珍しくキャラクター性がある。こういうゲームはキャラクター性がないので苦手・・・という人もこのゲーム、キャラデザがとても良いのでソレ目当てで買っても良いと思う。こういうゲームの入門用にも良い。
ホルスト:惑星
全体的に何となくパッとしないというかなぁ、演奏が平坦で、イマイチ。
絞るところは上手ですが、火星はもう少し爆発させてもよいのでは?と思いました。聞いた後も、あんまり印象的にはなりません。
えっ、これが小澤?と思う人もいるかも。
少年マイロの火星冒険記 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
興行成績が制作費1億5千万ドルの三分の一にも届かなかった、ゼメキス最大の失敗作が本作。
「フォレスト・ガンプ」でオスカー監督としての名声確立後、CGアニメ専門工房「イメージムーバーズ」を設立。「ポーラー・エクスプレス」(`04)「モンスターハウス」(`06)「べオウルフ」(`07)「クリスマス・キャロル」(`09)と精力的に作品を発表し続けてきたが、興行面での大成功とは行かなかった。
07年にウォルト・ディズニーが同社を買収したが、2作目の本作だけで1億ドルの赤字を出したわけで、ゼメキスにはいい加減目を覚ましてもらいたい。
元来ゼメキス映画の面白さは楽天的な世界観に由来するものであったはずなのに、CGアニメでは一転して陰鬱で悲観的な世界観に焦点を絞る傾向にあった。これでは大衆受けする筈も無い、ましてアニメである。
現在ゼメキスは旧知のユニバーサル・スタジオで再起を図っているそうだが、是非とも実写映画に専念してもらいたいと切望する。
ちなみに本作の邦題はセンス悪すぎ。原題は「MARS NEEDS MOMS」
韻を踏みつつテーマを雄弁に語っているのだ。
The Martian Chronicles (The Grand Master Editions)
「われらはもはやさまようまい こんなにおそい夜の中
心は今なお愛に満ち 月は今でも明るいが」(本文より)
火星年代記の火星人は侵略しない。
彼らはむしろ侵略され、人間の鏡であり、ある種の理想でもある。
火星へ行く、新しい土地へ行く話のはずなのに、なぜか感じるのは「故郷」「帰る場所」への人間の心だった。
帰る場所、それはいとしい人間の腕の中だったり、思い出の中の生まれ故郷だったりする。
たとえ別の場所にいっても、人は自分の居場所を捨てきれないのだな、としみじみ思う。
人間は、美しい火星を、地球らしく(この場合はアメリカらしく)する。
また、死んでしまったはずの人間を、わかっているはずなのにそれでも望んでしまう。
しかしそんな人間たちの愛すべき愚かしさを、冷笑するのではなく、火星人を通してせつなく描いているところは、まさにブラッドベリ。
「月は今でも明るいが」「夜の邂逅」「第2のアッシャー邸」が、小話として気に入った作品。
いいSFである。
宇宙へのロマンと、人間への愛情に満ちた目、美しい文章。
ヒューマニズムに過ぎるという批判があって当然だが、それでも価値があるように思う。
せつなさが、しんしんと浸みてくる良作。