セックス・トラフィック [DVD]
「ロンドンで1ヶ月働けば、ここの年収は稼げる。」甘い言葉で貧しい東欧諸国などの
若い女性に出稼ぎを斡旋。
その実態は国際的な人身売買コネクションであり、娼婦を強要され世界中に売られる
という当に地獄。
この”セックス・トラフィック”というドラマ、2004年にイギリスのチャンネル4で
放送され同年のイギリスアカデミー賞で8部門制覇したとのこと。
納得です。
売る側売られる側、ジャーナリスト、警官、人権団体など様々な立場の登場人物が
生々しく表現され、まるでドキュメント番組を見ているような感覚にまで
のめり込める。
こんな重厚な社会派ドラマには滅多にお目にかかることはできません。
お奨めですよ。
Great Traffic Jam [DVD]
不満があるのは、未だ時代性を残したいと思っているような編集(しかも60年代後半なのか?)。ステージの映像とインタビューだけのシンプルな構成だけで十分(というかその方が良さは絶対伝わる)なのに、映像コラージュとか入れすぎ。ライブのトータル性も損なわれるところだよ、全く。
とは言え、彼らの映像自体が滅法貴重なんだから、文句は抑えよう。ウィンウッドのアップと歌声がどれほどかっこ良いか、自然と伝わることが貴重だ、なんてこと自体に恨み言、言いたくなるけど。
トラフィック [DVD]
ソダーバーグって変わった作品ばかり作るイメージがあったけど、この作品ではドラッグというテーマに堂々と向き合う硬派の監督としても非常に優れていることを証明した。
供給側のメキシコから需要側のアメリカへの巨大なサプライチェーンを両側から描いているのがこの作品のユニークなところ。メキシコを描くときは灼熱の大地っぽいオレンジフィルター(マチューテとかプラネット・テラーとかの手法を踏襲?)を使い、アメリカを描くときはマットなソダーバーグの色調。この辺がアートを重んじる監督の美意識が感じられる。
ドラッグカルテルの資金は、もはやアメリカの麻薬捜査の予算をはるかに上回っているらしい。メキシコではもはや手の施しようがないような印象をうける。アメリカでさえ殺し屋や運び屋が自由に国境を行き来してる様子があるが本当だったら恐ろしい。
マイケル・ダグラスは麻薬撲滅でホワイトハウスの要職についているにもかかわらず、娘が通う上流私立校にも忍び寄るドラッグに気づくことができないどころか娘はどんどん深みにはまっていく。この娘を悪の道へ先導した男は、スパイダーマン3やプレデターズでも小賢しい性格悪の役専門の奴。こんな役ばっかまわってくるってほんとに最悪な奴って思われそう。
キャサリン・ゼタ・ジョーンズはアメリカ側のドラッグビジネスを仕切る大物の妻。旦那が突然逮捕されていままで合法的な実業家だと思っていたゼタ・ジョーンズはビックリ。だがしかし、この妻の変遷ぶりもこの作品のみどころ。