パンタナルの冒険 (CDブック 語学教育絵本)
本書はブラジルのリオ・デ・ジャネイロで使用されるカリオカの発音を採用している。
「あとがき」には、絵本としての内容を重視するために、原文の意味を逸脱して「超訳」にしたと訳者は書いている。それなのに表紙には「語学教育絵本」と表記されており、原文の意味も分からないまま、どのように言語学習ができるのだろうかと訝しく思う。
訳者が語学本として認識していないのとは反対に、出版社は語学本を謳っている。適当に本を作らないで欲しいと願うばかりだ。
ポ文を読めば分かることだが、第12章のタイトルであるUMA DUPLA DE SUCESSOを「二重の成功」としてるが明らかに誤訳である。というより日本語を読んでも、誰かが2回成功したという内容になっていないのが明らかだ。DUPLAは「Jaca & Jacare」のことなので「名コンビ」という訳になる。これも著者が言う「超訳」なのか??大学教授のミスとしては初歩的過ぎて痛すぎる。まして著者はブラジル文学をいくつか翻訳しているではないか。
私は音読教材として利用するのに本書は適していると考える。CDを聴いてシャドーイングや音読を繰り返して、かなり語学力がついたからだ。
CDが早いと感じる人は会話の入門的本を終えてから挑戦してみると良いだろう。