東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2枚組) [DVD]
私は主人公と全く同一ではありませんが、故郷に両親を残して大学生のときから上京し、大学で留年し、そして今はまだ元気な両親を故郷に残したままです。義理の母は癌で亡くなり、その臨終の場面に立ち会いました。そういった自分の体験が蘇るとともに、やがて迎えざるを得ない両親との別れに際して、自分は主人公のように親孝行ができると言えるのだろうか、あるいは自分の息子に対して気軽にオトンと呼んでもらえるようなことができているのだろうか、と考え込まざるを得ませんでした。似たような体験をした、あるいはすることになる中年男性には是非観てもらいたいと思います。貴方は母親の遺体の傍で最高の仕事をすることができるでしょうか。
映画に関しては、最後まで明るい、そして息子を包み込み、励ますオカンの愛情の大きさを演じる樹木希林の演技が圧倒的。そのオカンの若い日を内田也哉子に演じさせたアイデアが本作の素晴しさを決定づけたでしょう。今度帰省したときには古いアルバムで若き日の母を思い起こしたい、そういう気分にさせてくれます。そして、東京タワー。若者を引き寄せる東京の象徴として、若者達を見守ってくれているように描かれているのが印象的でした。中学の修学旅行以来展望台に昇っていませんが、今度機会があれば昇ってみようと思っています。
ブローチ
初めてこの本に出会ったとき、1ページ1ページをそっとめくるたびにそこに書かれていることばメロディーを奏でるように私の中に入ってきました。カラフルで繊細な絵もとても魅力的で、違う世界へ迷いこんだような気がします。紙が薄いので、絵が次のページの絵と重なって見え、ページをめくる度に魔法にかけられたような不思議な感覚になります。何度も何度も繰り返し読みたい一冊です。
Sigh boat
昨年末にライブをみました。そのときはボーカルの内田さんが、樹木希林さんの娘さんだとは気づきませんでした。
渡邉琢磨氏と鈴木正人氏が組めば悪いものは出来様がありません。
そこへ内田さんの一見なんてことはない、でも魅力的なボーカルが絡みます。
末永く聴ける作品だと思います。
しっかりと向き合って聴くことも、BGMとして流すことも。
ペーパームービー (講談社文庫)
誰もが知る日本のスーパースターを両親にもち、旦那様までもが有名俳優という、一見華やかで誰もがあこがれる生活をしていそうだが、素顔はおっとりとし自分の感性を信じ純情な一面が見られる本である。日本人離れした両親の強烈な個性を充分に受け継いでいるであろう彼女であるが、母親の背中を見ながらも、幼いころからわが道を歩き、結婚してからは旦那様と楽しく生活している様が描かれていて内田也哉子ワールドが垣間見れる作品だ。
会見記
也哉子さんが、独断と偏見で選んだ人々との会見を記した本で、各界の有名・無名人との会見が面白いです。最後の会見はやはり、父裕也さんとの会見でしめくくられていて也哉子ファンでなくても楽しめます。少々文が読みづらいですが、挿絵は息子さんが描かれたなど他に興味深い点も多いです。