Don't Break the Oath
デンマークのメタルバンド、マーシフル・フェイトの2nd。1984作
King Diamondが在籍していたバンドとして、ファンにも人気の高い名作。
古き良きメタルリフと叙情的なメロディによるドラマティックなサウンドに、
キング・ダイアモンドの甲高いヴォーカルが歌い上げる。
シアトリカルなドラマ性よりはIRON MAIDENやJUDUS PRIESTに通じる
正統派のヘヴィメタルを基本に、北欧的な叙情美で味付けをしたサウンドで、
いくぶんのマイナーな空気を漂わせているのが、むしろ魅力となっている。
ツインギターのメロウなフレーズとともに、音には70年代的なハードロック質感もあり、
どことなくプログレ的な構築力も覗かせる。この濃密な質の高さは素晴らしいという他にない。
メリッサ
NWOBHMの影響も確かに濃いかもしれない。
しかし唯一無二という言葉が最も似つかわしいバンドではないか。
そして彼らの個性はすでにこの1stアルバムで確立されている。
彼らのツインギターハーモニーはIron MaidenやはたまたThin Lizzyといったバンドの
ツインリードギターとは一味違った不気味な雰囲気を醸しだしている。
各々のソロにおいては指令塔Hankのそれも耳に残る印象的なものだが、
Michaelのメロディアスなギターソロは実に叙情的で素晴らしい。
そして特筆すべきはなんといってもKing Diamondの狂気の歌唱。
彼の奇妙なファルセットは聞き手に悪魔の語りのような印象を与えることに見事に成功している。
個人的にMercyful Fateの最高傑作は次作品のDon't Break The Oathだと確信しているものの、
本作のほうが生々しさは感じられると思う。
理解には時間が掛かるだろう。それも半年単位で。しかし得るものは大きい。
Melissa/Beginning
「メリッサ」はパーフェクトなアルバムです。
キング・ダイヤモンドの癖のあるボーカルは病みつきになります。また、楽曲の進行・展開の妙、シュアーな技巧は、いま聞いても全く古さを感じません。
こういう高レベルなロック(?)と適度なキャッチーさが相まった作品ってなかなかないのよね。