音楽の友 2011年 04月号 [雑誌]
今月号は、読者アンケートによるクラシック音楽ベストテンとして 1 あなたが好きなクラシック音楽演奏家は? 2 あなたが好きな指揮者は? 3 あなたが好きなオーケストラは? 4 あなたが好きな鍵盤楽器奏者は? 以下全39問読者アンケートを特集しています。各設問を検討していくと種々面白い事が解ります。
例えば1 パヴァロッテイが何故1位なのか?カラヤンの人気いまだ衰えず。小澤は、大病からの復活で人気上昇! 2 小澤 カラヤン クライバーは、解るけど何故メータがランクインしているの? 4 アルゲリッチ、ポリーニの人気衰えず。しかし、グルダ、ブレンデルは何故ランクインしていないの? 10 小澤 朝比奈の人気衰えず 16 ベートーヴェン ブラームス バッハ モーツアルトの人気衰えず。17 ブルックナー マーラー好い曲もあるが長すぎる。武満 シェーンベルク 解りにくい 19 ベートーヴェン第九 ブラームスSYN.1は解るが、バッハ マタイ受難曲、ワーグナー 指輪は何故ランクイン・・通して聴いているのかな?モーツアルトは、フィガロが入って、何故SYN.40は入っていない? 23 何故チャイコフスキーVn.CO.が1位(メンデルスゾーンはランク外になりそうなのに) 27 ボエームが何故1位 37 39 ソフトは購入しないが、コンサートへは行く等色々な事が解ります。
総じて意外と保守的ですが、時々訳の解らない物がランクイン(しかも高位)しています。私も20代後半から30年以上購入してきたレコ芸の購読をやめました。(マンネリで面白くない)また、デイスクリポート以来ずっと購読してきたCDジャーナルも止めようと思っています。(巻末の新譜紹介が縮小された。)ソフトの販売量が減ってきているので、これらを紹介している雑誌も難しい時期に入ってきていると思います。
PRIMO(初回生産限定盤)(DVD付)
全てがバターリッチな神尾真由子の音で、エキサイティングだ。カルメン幻想曲は、サラサーテのと思ってたら聞いたことのない曲と響きで驚いた。余韻の少ないスタジオ録音とはいえ、ライブのような迫力と息吹を感じさせる演奏だ。ピアノ伴奏との呼応も素晴らしい。
J.S. バッハ & レーガー: 無伴奏ヴァイオリン作品集 (Bach & Reger : Works for violin solo / Sayaka Shoji violin) (2CD) [日本語解説付輸入盤] [Import CD from France]
CD1:
・レーガー:前奏曲とフーガ ト短調Op.117-2
・J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調BWV1001
・レーガー:前奏曲とフーガ ロ短調Op.117-1
・J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番ロ短調BWV1002
CD2:
・レーガー:シャコンヌ ト短調Op.117-4
・J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004
が収録されています。
私としては、Bachはいらなかった。
Bachが入っていないと売れないという意向がレーベル側にあったのだろうか?
Bachと並列させることに意義のあったことは認めるが、
中途半端にピックアップするのなら全曲Regerでまとめていただきたかった。
そう、あまり世に出る機会がないだけに。
CD二枚目ではRegerのシャコンヌとBachのシャコンヌが並列されています。
シャコンヌの共演、競演、饗宴です。
「日本人には取っつきが悪いとされるRegerも、
Bachの投影を意識した奏者の解釈によりかなり近くで響く…」
とは日経新聞の評であるが、それは本当にそうだと思う。
それにしても、もっとRegerを聴きたかった。
メジャーレーベルでは名曲路線(聴き飽きた路線、食傷気味路線とも言う)であるだけに
折り合いがつかず、あえて別会社で録音した意欲作とのこと。
私は、その奏者の意気込みを賞賛したい。
そしてメジャーレーベルには苦言を呈したい。リリースする曲が、同じものばかりである。
その方が売れるから…という理由はもういい。
彼女のような気骨がメジャーレーベルにも欲しい。
先にも書いたように、本当はBach抜きでやって欲しかった。
しかし、商業主義のメジャーレーベルに一撃を喰らわせたというところが大きい。
であるので、選曲に不満はあるが☆は満点をつけたい…。
PRIMO
今日、CDショップで見かけて選曲が若手のビジュアル売りとちょっと違っているところに関心を惹かれて購入、プレーヤーにかけた1曲目でやられてしまいました。
衝撃としか表現のしようがありません。
初めて諏訪内晶子さんの演奏を聴いた時も結構驚きましたが衝撃度では神尾さんが上回るかも。
お二人のどちらが旨い下手ではなく、驚き度合いです、あくまでも。
他の方のレビューにもありますが一曲目から難しい曲を持ってきて音が吹っ飛ぶんじゃないかという高音域の掻き鳴らし。でも全然耳障りじゃない。技量が追いついているからなのだと思います。
なんというか攻撃的な印象のする「攻めの音楽家」という弾き方に衝撃を受けました。
まだまだお若いのでしょうが最近雨後の竹の子がごとく排出される若手女性ヴァイオリニストの中でも技術的には群を抜いているのではないでしょうか。といっても若手では10人位しか聞いていませんが・・・。
ライナーノーツに本人のコメントとして「自分の過去の演奏は観ないし、聞かない。ミスや反省ばかりで腹立たしいから、だからアルバムも出したくない。」といった内容のものがあり余程の完璧主義者で求道者なのでしょう。それに自分の技量に一定の自負もなければ出ないコメントです。
将来が非常に期待できる音楽家と出会えた喜びに今満ちています。
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
期待を裏切らない、素晴らしい演奏です。重厚で、それでいて研ぎ澄まされた誠実な音色。この音色は庄司紗矢香さん以外の誰にも出せません。録音状態は今一つかも知れませんが、そんなことは問題になりません。
新規リスナーの方にも自信を持ってお薦めできる一枚です。