キッズパーカッション アメリカンカズー センスイカン型
普通の楽器のように、フーと吹いてはいけません。それだとただスーと空気が抜ける音がするだけ。
太い方をくわえた状態(←つい細い方をくわえたくなりますけどね)で「ウーウー♪」と喉で鼻歌を歌う(鼻に息が抜けない)ようにして鳴らす楽器です。
最初はうまく音が出ませんが、コツをつかむと、自分の鼻歌(喉歌?)がプーブービーと面白い音になって出てきます。
自分が欲しくて買ったのですが、私が鳴らしているのを見たら絶対に娘(3歳)も欲しがるな…と二つ購入。
娘にはまだ無理だろーと思ったんですが、驚いた事に私より先にマスターしてしまいました(汗)。
最近では“エーンエンエン”と泣くような声を、カズーで「ブーンブンブン」と鳴らしてはニヤリとしてます。3歳児恐るべし(笑)。
ディズニーのアニメの中で、グーフィーがハンモックに寝そべりながらカズーを鳴らしているシーンがありました。
そういう、力の抜けた状態で楽しめる楽器です。
ベサメ・ムーチョ
昨年、寺島レコード第1弾作品であった松尾明トリオ(松尾明ds,嶌田憲二b,寺村容子p)の「Alone Together」は大好評だったようで、ジャズのCDとしてはかなりのヒットとなった模様。
そこで、早々と登場したのが本作、「Besame Mucho」。アルバムの印象は1曲目が大事だが、1曲目「Angry Dogs」の躍動感、疾走感は抜群でツカミとしては最高の出来だ。そして、全12曲、緩急をつけながら、哀感のある美しいメロディを持つ曲を次々と綴っていく。
タイトル曲「Besame Mucho」は、この曲としては出色の好演奏と思われるが、アルバム全体の演奏イメージからすると少し違うかもしれない。本作は、前作以上に良いメロディの佳曲を集めているが、知名度の高い曲は少なく、そのため、タイトル曲にはキャッチーな曲を持ってきたものだろう。
サウンド面では、全体的に松尾明のシンバルの音が印象深い。そして、嶌田憲二のベースはのゴリッとくる感じや温かみがイイし、ここでの寺村容子のピアノは、ヨーロピアンサウンドとは少し異なる骨太でイキのいいノリと美しさが素晴らしい。
全体に録音は良好で、さすがはジャズオーディオを標榜する寺島靖国氏の面目躍如といったところだ。
演奏時間は、前作より少し長めで、ベーストロンボーンの西田幹がゲストの「Rumba Del Cajon」の約7分を除き、4〜5分となっている。無論、冗長さはなく、次々と好演奏が楽しめるのは前作同様。
その「Rumba Del Cajon」では、西田氏のB-Tbの深々とした響きとともに、松尾・嶌田・寺村の充実したソロが聴け、1曲くらいは長めの演奏があっても良いだろうというところか。
今回も1曲だけMAYAがゲスト参加した「Georgia On My Mind」は、「Georgia」というのは州の名前ではなく女性の名前であるとの解釈・信念をもって歌われており、そのためか、従来のこの曲にはない可愛らしさを感じさせる歌唱となっているので、MAYAファンは聴き逃せまい。
ジャケットは、前作同様、ブックレット付きデジパック仕様。表の写真は、前作よりも良い感じの美しい仕上がり。中身は、寺島氏と松尾氏の詳細なライナーと、ゲストを含めた全員の写真とコメントが掲載されており、MAYAのところでは歌詞も掲載されているのは実に良い。
本作は、寺島氏の提案する究極のジャズピアノトリオCDとして、前作の路線を踏襲しているわけだが、本作ではそこに余裕のようなものが加わり、さらに楽しめる快心作となった。
もとより、ジャズピアノトリオCDに求めるものは、人によって異なるので、このようなサウンドを好まない人もいるかもしれないが、志向性と嗜好性が合うならば、超推薦盤であることは間違いない。