はだしのゲンが見たヒロシマ [DVD]
1973年に連載開始された“はだしのゲン”の作者の中沢啓治さんのインタビューを中心に映像が進められていきます。
広島平和記念資料館に収蔵されている原画、原爆ドーム、
当時住んでいた家、作品の舞台になっている所に訪れながら
投下直後の記憶を語られていきます。
現在73歳でおられますが、100歳迄生命(い)きて、是れからは映像作品に依ってメッセージしていきたいと最後に仰られておりました。
“中岡元”の事実上の分身であられる中沢啓治さんがとても身近に感じる事のできる映像作品でした。
マッシュルーム・クラブ [DVD]
ヒロシマの記憶の鮮やかな記録であり、その風化への警鐘である本編の見事な出来映えはもちろんだが、特典映像の同じオカザキ監督によるドキュメンタリー、「928発の閃光−アメリカ核実験被害者は今」には、まさしく息をのんだ。
まるで、いまの日本がこの再現劇であるかのような既視感に襲われずにはいられない。政府がラジオ(いまはマス・メディア全体)から垂れ流す「大したことありません」の「安全神話」を信じて、数年後、数十年後につぎつぎと発病し、障害を持って生まれ、放射能の犠牲となって行く市民、そして兵士。また冷戦(いまは「復興」か?)の大義と「ソ連の脅威」(いまは「風評被害」?)のために声を上げられない人びと。
これを過去の物語、と片付けるわけにはいかなくなったことは痛恨の極みだ。「歴史は繰り返す」ということわざを苦く噛み締めさせる一本であり、こちらだけでも購入する価値あり、と断言したい。
ユーカリの木の下で (中沢啓治平和マンガシリーズ 3)
戦争を是とした学校教育を受け、それを信じ込んでいた軍国少年の物語。
原爆が投下され悲惨な状況を見て、過去に軽蔑していた戦争に反対していた朝鮮人のクラスメイトの考えの正しさに気付く。
こうした話は実際の戦争中に少なくなかったのだろうと思った。
教育の中でも、特に小学校教育で誤った考え方や知識を植え込むとこうした悲劇を招くことがあるという恐ろしさを痛感。歴史認識について教科書問題が度々取り上げられるが、子供達には教科書だけではなく多くの書物を読んで正しい歴史認識を持ってもらいたいと思う。
はだしのゲン自伝
マンガと文章、やや畑違いとは言え、流石にプロの作家の著した物、その表現力はさすがです。
原爆投下後数日の話は、読んでいて本当に気持ち悪くなりました。いい歳コイて。原爆写真集も、とっくに何冊も見ているのに。
もちろんそれが著者の意図する所で、原爆の恐怖を、原爆を知らない人々に伝える事が、彼のライフワークなのであります。
少年少女にトラウマを植え付けたいそうです(私も小学校の図書室でゲンを読みましたorz)。
原爆のゲの字もイヤだ!って人が増えればなるほど、核兵器は減るかもしれません。
著者の思想はかなり左傾化していますが(本書内でも天皇くたばれ!とか、言っています)、あの惨状を体験したなら、無理は無いな、と・・・・・・。
いや、恐らく、私の想像できる「あの惨状」より、何千何万倍もの地獄だったのでしょうね。広島は。
その半生を原爆と、その負の遺産と向き合って過ごし、死んでいった、お母さん。
本当にお疲れ様でした。
「はだしのゲン」などと言う凄まじい作品を、少年ジャンプと言う雑誌に掲載した、当時の編集部。
よくやりました。原爆のなんたるかをこの世に知らしめました。
はだしのゲンは恐らく今後何百年も読まれ続けていくマンガでしょう。
私の様にゲンを読んでトラウマを背負って大人になった皆さん。
今は右翼か左翼か中道か、はたまたクリスチャンかアーレフか。
立場に関わらず、一度本書を手にとって貰いたいと思います。
私はさしあたって反原発運動からちょっとだけ頑張って行きます・・・
黒い雨にうたれて
初版が昭和47年であるから、原爆漫画の名作「はだしのゲン」の原作ともいえる。
本書は著者の体験をもとに次世代への語り継ぎというか引き継ぎをテーマにしている。原爆被害体験を二度と繰り返さぬよう若い世代へなんとしてでも伝えたいという気概が中沢氏から感じられ、「はだしのゲン」の体験記とは違った受け取りかたができる。