女系家族〈下〉 (新潮文庫)
小説でも映画でも、物語を楽しむ多くのユーザー達は物語の筋そのものだけでなく登場する人物達のキャラクターそのものも楽しむのが普通でしょう、
その点において本作は強烈なキャラクターがたくさん登場しながらもけっして読者たちが魅力を感じるような人物がいない不思議な物語でもある、筋そのものの迫力は著者の豪腕による圧倒的なものなのだが、「白い巨塔」であれば財前や里見、彼らを取り巻く人物達が何ほどかの魅力を感じさせていることと好対照とおもう、
これはひとえに本作が描写したのが現在既に存在する一定量の「遺産」をどれだけ自分自身にのみ有利に獲得しようかという"後ろ向き"の姿勢だからだとおもう、「白い巨塔」の主人公達の一部は実にあくどい処世を繰り返しながらも、医師としての己の技量の上達、獲得した地位を利用して更なる医業の発展を、と姿勢が極めて明確に"前向き"だからこそ魅力的なのだとおもう、
舞台となる矢島家はある程度の旧家でなおかつ相当の財産家、彼女達はいっぱしの教育は受けているようだが、自身の属する「家」を如何に維持発展させるのかという帝王学のようなものは教わっていないことになる、だからこそ、宇一や叔母、そして梅村が登場する大きな余地が存在したわけだ、娘達に小なりといえどもなんの帝王学も授けなかった嘉三の復讐は文乃と出会うはるか以前から始まっていたのだと解釈したい、
女系家族ホール01 千里
貫通なので避ける人も多いでしょうがこれ思ったよりいいです。
ヒダヒダがたまりません、使えば使うほどいいです。
丈夫ですし、貫通式だからね!どちらかといえば馴染んでくるホール(育成型のホール)かな?
なんかわかりにくい説明になってますが、貫通式買おうと思うならこれはいいですよ
女系家族 ~淫謀~
登場するキャラ、CGなどは相変わらず綺麗でした。ただこの作品をする前にELF作の「媚肉の香り」や「人間デブリ」をやっていたため、ストーリーなどの面では微妙なところがありました。
後者の2作の前にやっておけばよかったなと今感じてます。
30独身女、どうよ!?
「30独身女は正しい!」
はい。私も大賛成です。
でも、うさぎの言うことにはいちいち「甘い!!」と突っ込みたくなります。
それだけ相手に多くを望むうさぎはどれだけ素晴らしい女性なの??
それを言葉にする前に自分に自信を持てるように
もっと楽しく好きなことに向かって努力すればいいのに。
一人でも生きられる精神の強靭さがなければ、これからの世の中は
多分渡っていけないでしょう。
それだけ不安定なんだから、自分くらいは必死で安定させなくては。
いえ、本の結論ではうさぎも大人の女になっていくんで、いいんですけど。
姉妹本の「恋愛の取説」もおススメです。
女系家族〈上〉 (新潮文庫)
兎に角面白く読めました。
タイトルにもある伝統的な女系の老舗問屋が舞台。
血を分けた3姉妹の亡き父の遺産を巡って醜い戦いが繰り広げられる中、この相続の取り纏めを任された大番頭が千載一遇のチャンスとば
かりに過去の着服の清算と新しい横領を虎視眈々と狙う。
姉妹の中では特に出戻りの総領娘の身勝手さが際立っており、大番頭との戦いは見物である。
また物語では登場シーンも少ないながら冒頭よりなにやら一波乱ありそうな雰囲気を醸し出している亡き父の妾の存在。しかもその血も涙もない実子で姉妹達の仕打ち、番頭の腹に一物持ちながらの接触に対しても主張もせず、最後の最後に切り札を突きつけて、物語のラストで大きな波乱を生むことになる。
自分の置かれている立場を何食わぬ顔をして受け入れ、旦那稼業を何十年も続けて来た婿養子の最初で最後に強い意志を持って書かれた遺言には積年の屈辱と将来を憂いだ心境が赤裸々に綴られており、思わず唸らずにはいられなかった。
慇懃な大阪弁の言い回しといい、会話の受け答えといい、この物語は大阪が舞台でなければ、面白みも半減していたのではないかと思うほど、全体に調和の取れたものとなっている。