森山大道 路上スナップのススメ (光文社新書)
腰巻きの写真で森山御大がタテ位置で構えているのはRICOH GX100か200。レンズ保護の自動開閉式レンズキャップ LC-1を付けているのが可愛いけど、左の人差し指で一眼レフだったらペンタの部分を押さえて、ブレを押さえているのは渋い。と、同時にやっぱ広角は24mmだよなぁ、とこれだけでいろいろ楽しめます。
砂道、佃島、銀座、羽田そして足利へ向かう国道でのスナップ写真行に編集者が同行して、御大の聞き語りを写真と一緒に構成しました、というのが本書。
「自分自身が欲望に忠実な、欲望体となってスナップしないと、面白くもないし、そもそも意味がないんだよ」(p.9)、「商店街を撮るときは必ず往復すること」「往きと帰りでは、だいたい光線が逆になるから」(p.20)、「(水辺では)逆光が面白い」「逆光、もしくは半逆光ぐらいで水辺や、その周辺にあるものを撮ると、割と決まるんだよ」「その点、順光ではニュアンスに欠けるんだよね」「ただ、一歩間違うと、本当に心象風景になってしまう可能性があるんだよ」(p.46-)「絵葉書の写真って、たいがい対象のちょっと上から撮ってる。あの撮り方に辿り着いた先人は、やっぱり凄いな、と」(p.104-)
などのスナップ術が味わい深い。